巨人V奪回の鍵は~投手編~山口俊と沢村は期待大

 4年ぶりの優勝を狙う巨人。昨年優勝した広島との16・5ゲーム差を縮めるのは容易なことではない。打線の奮起は当然必要だが、エース・菅野を中心とした投手力を前面に押し出し、対抗していくしかないだろう。

 1月のスタッフ会議では「先発70勝&リリーフ15勝」、「規定投球回5人」、「3失点以下90試合」という目標を設定した。これが達成できれば貯金40できるという公算だ。昨季3失点以下に抑えた試合が「84」だったことを考えれば、無理な設定ではないだろう。

 ただ、今年は昨季14勝のマイコラスがいない。2桁を計算できる投手が抜けてしまったというのは、チームにとってかなりの痛手だよ。この穴をどう埋めていくか。これが投手陣の最大のテーマだろうな。

 エースの菅野、昨季13勝の田口が今年もやってくれるということが大前提。その上でカギを握る選手を挙げると、先発では山口俊と畠、リリーフでは沢村。この3人じゃないか。新外国人ヤングマンも獲得しているが、助っ人は良くも悪くもふたを開けてみなければ分からない。クイックの問題もあるしな。だから計算には入れないほうがいい。畠は昨季途中から6勝。シーズンを通して投げることができれば、さらに上積みが期待できる。

 去年11月だったかな。ジャイアンツ球場で山口俊と沢村がブルペンに入っていたけど、ふたりともいい球を放っていたよ。去年はいろいろあって仕事をしていないが、今年はある程度期待していいんじゃないか。

 沢村はキャンプ2軍スタートになっているが、焦らずやらせたいという首脳陣の思惑があると思う。リリーフ陣はマシソン、カミネロが健在。沢村が戻れば七、八、九回を固定できるだろう。得点力はそれほど期待できないだけに、1点を逃げ切るパターンを増やしたいよな。

 シーズン中はけが人が出ることもある。ただ、巨人の投手陣は育成を含めて43人もいるのが強みだ。調子のいいやつをどんどん使って、総合力でシーズンを押し切ってほしい。(デイリースポーツ評論家)

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