篠塚をほうふつとさせた吉川尚の打撃
巨人の実戦初戦となった紅白戦を観戦した。期待の正二塁手候補・吉川尚が3安打。ヨーイドンで、アピールしたのはたいしたもの。投手有利のこの時期、野手は収穫がないなんていうこともあるんだけど、首脳陣はホクホク顔だろう。
全ての打席で内容が素晴らしかった。第1打席は谷岡の変化球に体勢を崩されてもしぶとく中前に落とした。左投手も苦にせず、戸根、大江からもしっかり2安打して、いいアピールになった。
詰まっても、巧みなバットコントロールで野手のいないところに打球が落ちる。昨夏以降から対応力が上がっていたが、巨人OBの篠塚をほうふつとさせる打撃だった。
このチームに最も必要な“機動力”も魅力的だな。第1打席、並の打者ならシングルヒットの打球を二塁打にしてしまった。その後、小林の左前打で難なく生還した。
「二塁は盗めても一塁は盗めない」なんてことを言うけど、要は足が速くても出塁しなければ意味がない。でも、この試合では打席で粘り強さがあった。
理想としては1、2番に置きたいだろう。あれだけ足の速い選手が塁にいたら、相手からしたら恐怖だよ。吉川尚が出塁すれば投手は盗塁を警戒する必要があり、配球も直球系が増える。坂本勇、ゲレーロ、マギーのクリーンアップの打席で吉川尚が塁上にいれば、得点力はグッと増すはずだ。
昨年はBクラス。優勝した広島とは、200得点差あった。だけど今年はゲレーロも入り、鹿取GMは「打線の厚みは去年と違う」と自信を見せていたな。二塁に吉川尚がはまるようだと、ガラッとチームが変身するんじゃないか。