絶不調でも勝つ 菅野のすごさを証明
菅野が6回2失点で8勝目。調子は最悪だったが、それでも勝ってしまう菅野のすごみを感じる試合だった。
立ち上がりから体重移動がうまくいかず、軸足の右足に重心が残り、振り抜いた腕が体に巻き付くようなフォロースルーにならなかった。ストライクとボールがはっきりして、決めにいく球もワンバウンドになったり、大きく外れたり。マウンドで明らかにいら立つ様子がうかがえた。
初回は、1死満塁のピンチ。雄平を一ゴロ、坂口を二ゴロに抑えて無失点に抑えた。このイニングの球数は32球。本来、1イニングで20球以上投げると球威がやや落ち失点する可能性は高まるが、ここを無失点で切り抜けられたのは大きかった。
スライダーが決まらず、直球で押し切る小林の配球もはまった。三回、2死三塁で雄平を150キロの直球で空振り三振。六回2死一、三塁も150キロ以上の直球を4球続け、荒木を見逃し三振に仕留めた。やはりストレートで三振を取れるのは、投手にとって大きな強みだ。
次カードは広島3連戦があり、菅野は中5日で登板する可能性もあるだろう。技術的な修正は問題ない。ただ完投しての125球と、6回での125球では疲労感が大きく違う。次回登板は、状態を慎重に見極めて決める必要があるかもしれない。
打線では、6月8日以来のスタメンとなったマギーが4安打の活躍。先制打も放ち、久しぶりに助っ人の役割を果たした。打倒・広島には2軍調整中のゲレーロとマギーの復調が必要不可欠。そういう点で、マギーがきっかけをつかむ一戦になることを期待したい。