香川・近藤コーチ 再び黄金時代へ-個人の明確な目標設定がカギ
【香川・近藤智勝コーチ】文=高田博史
香川は室内練習場、県営第2球場を借りながら、合同自主トレを続けている。
新入団の5人を含む契約選手が16人しかおらず、13人が練習生扱いだ。近藤智勝コーチが言う。
「球団からしても現場サイドからしても、いろんなメッセージがあると思う。特に外野手が多いので『自分で勝ち取って下さいよ』っていうところです」
勝って当たり前。いかにNPBで勝負できるか--。
常勝球団だった2007年、08年ごろ、選手たちはそんな意識を持っていた。近藤コーチもそのなかにいた1人である。
「そういう意識付けにもっていかないといけない。ギリギリで勝つんじゃなくて、ねじ伏せて勝つ。1つ上の意識付け。1つ次の高いところへ、常に、常に」
アイランドリーグでの実績が認められ、香川のコーチとなって7年、再び黄金時代が戻って来そうな手応えを感じている。
NPBに上がった選手には、共通して言えることがあるという。
「やっぱり、自分がどういうタイプで生きていくのかが明確で、あとは練習する体力がある。それがあれば気持ちにムラがなくなりますし、自分がどういうタイプになりたいかが見えている選手っていうのは、練習にしても試合にしても目的意識をもって、シーズンを継続してプレーできる」
最近で言えば大木貴将(ロッテ)がそうだ。課題に取り組みながら、足と打撃を「武器」と言えるレベルにまで高めた。
「自分の目標設定がハッキリ決まったんだと思うんですよ。でも、それは1年目、2年目に黙々と我慢強く、基礎であったりやるべきことをやっていたので。それに気付くのが早い選手は早くそこに到達するだろうし、気付かないで終わる選手も多いだろうし……」
勝つことの喜びも味わわせてあげたい。勝つチームにいるということが、個人のアピールにも重要だ。
「勝つための何かを、考えてやってるってことじゃないですか。そういう集まりだと思うので」
2期連続優勝と日本一。そして、12年連続が途切れたドラフト指名を獲りにいく。