徳島・知賀 メジャー三冠王!カブレラ打法で開眼 今季目標は10本塁打
【徳島・知賀涼介外野手】文=高田博史
知賀涼介が好調の波に乗るきっかけをつかんだのは、9番・右翼手として先発出場した対愛媛前期4回戦(4月15日、JAアグリあなん)でのことだった。
「始まりが、あのデーゲームですね。なんか違いましたね、そのときは。ピッチャーが河津(大樹)さん。2本打ったんですけど、2本目が正田(樹/元日本ハムほか)さんからで」
4月22日から5月6日までの2週間、18打数9安打と打ちまくり、一時はリーグ5位となる・326まで打率を上げた。
1年前から、ずっと取り組んできた打撃フォームが身に付いてきた。ようやく自分のものになった実感がある。上からたたくのではなく、ボールに対して下から入りレベルスイングで振る。真後ろからボールを見るようなイメージで打つ。
修正に取り組んだのは昨年6月、前期が終わったあとの中断期間だった。2年目の焦りがあった。
「前期もずっと試合に出てなくて、このままだったら出ないまま終わりそうだなと思って。何か変えないといけないな、と思ったときに、いろんな動画を見て『これ、いいんじゃないかな』と気付きました」
参考にしたのはデトロイト・タイガースの三冠王、ミゲル・カブレラの打撃フォームである。
19試合の出場に終わった昨年とは打って変わり、外野手として先発出場する機会も増えた。海部郡美波町出身の地元選手である。注目度も増している。
「注目していただけるというのはうれしいですね。1年目、2年目が全然そういうところまでいけてなかったので。今年はいろんな人に『頑張ってるな。よう打ってるな』と言ってもらえることがうれしいです」
3年目の目標として、本塁打10本を掲げる。大田泰示(日本ハム)のような豪快なアーチを放ちたい。
だが、一見大振りに見えるスイングについては批判的な意見もないとは言えない。しかし、かたくなに己の哲学を貫き通すつもりだ。
「自分の芯は、しっかり通して。そのほうが納得がいくので。自分的には」
悔いのないように。この1年に懸ける思いがある。