徳島・岸、首位独走のチーム支える得点源!!盗塁王へ突き進む
【徳島・岸潤一郎外野手】文=高田博史
4年前の夏、明徳義塾のエースで4番、主将として甲子園で見せた姿を知っている方には意外かもしれない。徳島に来て1年目、岸潤一郎はリーグトップとなる31盗塁を成功させ(18日終了時)盗塁王への道を突き進んでいる。
「高校から知ってる人は、みんな言います。『こんな足、速かったん?』みたいな」
1試合に1つは盗塁を決めたい。できなかった日があれば、別の試合で2つ決める。リーグ記録は公式戦が80試合あった2008年、高知・YAMASHIN(山本伸一)外野手の53だが「50はいきたいですね。あと20」と話す。
香川との後期初戦(8月13日、レクザムBP丸亀)九回表の先頭打者として中前安打で出塁すると、香川バッテリーは大きなプレッシャーにさらされた。2番・平間隼人のヒットエンドラン、3番・瀬口拓也の右前適時打で2点をもぎ取る。
9番・岸がチャンスメークして上位につなぐことが、首位を独走する徳島の大きな得点源となっている。
「そこしか意識してないです。僕が出たら、すぐ上位(打線)なので、自然と流れは良くなる。とりあえず出て、走って。得点圏で上位に」
サポートするのは2年前の盗塁王、橋本球史コーチだ。一塁コーチャーズボックスからの指示や、ダッグアウトでくれるアドバイスが走りやすくしてくれている。6、7月の中断期間もティー打撃、ウエートトレーニングと、二人三脚で練習を続けてきた。
「いい練習できたと思います。球史さんとかのおかげなんですけど、その一緒にやってもらったこととか考え方(練習の)やり方とかも全部、生きてるなって思います」
ドラフト会議規約により、今年は指名対象者から外れる。本番はあくまで来年だが、いまのうちからどんどん経験を積む。吸収する。打率もまだまだ上げなくては。そして、個人の成績よりチームとして勝ちたい。
「この辺とか、めっちゃデカくなったんですよ」
そう言って、左胸の筋肉をつまんで見せた。徳島からNPBを目指すいまの環境が、とても楽しい。