徳島・鎌田、四国に来て正解-ロッテが育成1位指名 地元・千葉で輝け!!
【徳島・鎌田光津希投手】文=高田博史
午後5時に始まったドラフト会議は、開始からすでに2時間半が経過している。ここまでアイランドリーガーの名前は、まだ1人も呼ばれていない。
徳島会場で指名を待つ3人のなかに、鎌田光津希の姿があった。重苦しい雰囲気に包まれ、じっと会議の行方を見守り続けている。緊張といら立ちが募る。
「ドラフトの下位くらいから『いつ呼ばれるんだ?』って。僕、あんまり緊張とかしないんですけど。育成ドラフトが始まってからぐらいが、一番緊張したと思います」
育成枠ドラフト1巡目、自分の名前が呼ばれたとき、思わず「おおっ!」と声を上げそうになった。鎌田を指名したのは、故郷・千葉をフランチャイズとするロッテだった。
「ドラフト前から、育成でもなんでもいいので泥くさくいこうと思っていました。地元なので、本当にうれしいです」
記者からマリーンズの印象は?と尋ねられ「一番印象があるのは、少人数でも球場を沸かせるような、すごい応援」と答える。
まずは3ケタの背番号からスタートし、支配下登録を目指す。徳島の先輩である木下雄介(中日)は、育成選手として入団し、2年目の開幕前に支配下登録を勝ち取っている。
「入ったからにはしっかりと気持ちをもって。より一層、練習に取り組み、1日も早く支配下になれるように頑張っていきたいと思います」
昨年、西武から指名を受け、今年1軍で2勝を挙げた伊藤翔(元徳島)は、高校の3年後輩にあたる。伊藤が歩んだ道をなぞるようにして、鎌田も大学卒業後、徳島からNPBを目指した。
自分も1年で決めなければ……。そんなプレッシャーがあった。
「それは感じてましたね。やはり、また2年目とかになってしまうと、評価もまた一から積み上げなくちゃいけない。1年目よりは、より一層厳しい評価になってしまうと思う。この1年で(NPBに)行くことができたのは、だいぶ大きいと思いますね」
四国に来て正解だったと、大きく胸を張った。