香川・原田、さらなるレベルアップへ豪州プロリーグで武者修行
【香川・原田宥希投手】文=高田博史
10月31日、松山市で『四国アイランドリーグplus AWARD2018』が行われた。今年度の年間MVPには原田宥希投手が選ばれている。
総合優勝を収めた香川のクローザーとして、投手タイトル2冠を獲得した。それだけにとどまらず、5・6月度月間MVP、前期MVP、チャンピオンシップ最優秀選手など、数多くの賞を手にした1年だった。
だが、一番ほしいはずのドラフト指名はなかった。
「う~ん、やっぱり悔しいですよ。悔しいですし『見返してやろう』じゃないですけど…」
実は、すでに日本にいない。11月1日、関西空港からニュージーランドに向け、飛び立っている。
豪州プロリーグ(ABL)は今季から2球団増え、8球団となる。その新規参入球団、オークランド・トゥアタラに派遣された。同じオークランドにはロッテから平沢大河ら3選手が。他球団にもDeNA、西武などから選手が派遣される。
香川と付き合いのある海外のエージェントから「ABLが選手を探している」と連絡があったのは、今年の夏である。ドラフトの結果も考慮しながら、原田のABL派遣が決定した。
「人生経験にもなりますし、行った方が得というか。チャンスをつかみにね。得られるものがあれば、なんでも吸収して。向こうに行くと、まず生活に困ると思うので。自分を追い込むというか」
今シーズン、思ったように球速が上がらず、ずっと悩み続けていた。速球に強い打者に対し、ABLの投手はどんなふうにストレートを投げているのか。より進んでいると言われる海外のトレーニングも学びたい。
「そういう部分で成長できたらいいなあとは思いますし、やっぱ環境はね。日本じゃないところで野球をするので、またもうひとつ視野が広がるかなと」
期間は1月末まで。プレーオフに進出すれば、2月上旬まで帯同する。しかし、3カ月間はあっという間に過ぎてしまうことだろう。
「目いっぱい頑張って、野球してきます!」
来年の春、さらにたくましくなって帰って来る。