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母の日にビッグなプレゼント

横浜1−12阪神

5月11日・横浜
 
 子を思う母の気持ちで阪神を見つめる虎党たちよ―。先制打に中押し、ダメ押し連弾の浜中おさむ外野手(24)は、トラの4番として大きく大きく成長しました。猛虎は横浜に8連勝し、貯金は今季最多の11と膨らんだ。ちょっと前までよちよち歩きだった息子たちを、もう信じてもいい。Vに向かって着実に歩を進める足取りは、確かだ。
阪 神
12
横 浜
勝:ムーア6勝
本塁打:浜中10号、11号
2連打席連続を含む6打点の大暴れの浜中

 9連戦を締めくくるにふさわしい最終幕。優雅で、雄々しい打球が横浜の空を飛び交った。悠然とダイヤモンドを回るのは、だれでもない浜中だ。これぞ4番の貫録。2度のハイタッチも堂に入っている。指揮官も心から納得し、ベンチ前の儀式に加わった。

 二回に4点を追加し、なお二死一塁。金本の盗塁を見届けると、次の143キロ直球を豪快にはじき返した。左中間席上段まで達する第10号2ラン。だが、これで終わらないから盛り上がる。

4打数4安打とまさに大暴れの今岡

 次打席となった四回、今度は右への3ランで横浜の息の根を止めた。4月20日の横浜戦以来となる連発は、今季3度目の1試合2本塁打。「今までにないようなスイング。ここまで深みのある、納得できる打撃ができている」と、最高の内容にほおを紅潮させた。

 母の日には縁がある。プロ初アーチも01年5月13日の母の日。そして2年後のこの日。母の恵美子さん(56)も遠く和歌山から見つめていた。同伴自主トレで話題を呼んだ母も、息子の成長にいつしか戦場から姿を消した。「贈り物は嫁さんがやってくれているけど、いいプレゼントになったと思います」と息子は素直な気持ちを表した。

 試合前には“父親”から苦言が飛んでいた。「お膳立てができてないときも、カンカンと打てないとな」と練習中の浜中を見つめ、星野監督がつぶやいた。その2時間後。確かな成長ぶりを見ることになる。

プロ初登板でいきなり149キロを 記録した久保田

 初回、一死三塁で金本が三振に倒れたあとに、右翼線二塁打で先制点をたたき出した。カウント2―2と追い込まれ、好機を逃しかけていた場面での一打。重圧がかかる中での結果は、何よりも大きい。開口一番「あれが4番のバッティングだよ」と指揮官が絶賛したのは、この一打があったからだ。

 打ちも打ったり6打点。ラミレスを一気に抜き去り、43打点でセ界の打点王に躍り出た。「それは関係ない」と口をつぐむが、手に残った感触にはうそをつけない。「右方向に打てたことには満足。これをきっかけに次もどんどん当てていきたい」と眼光は鋭さを増していた。貯金は今季最多の11。立役者となった若き主砲は、いつしか大人のプレーヤーに脱皮していた。(鶴崎唯史)


 激闘ダイジェスト
 1回表  いきなり今岡が中越え2塁打。2死3塁から浜中が右越え2塁打で先制に成功
 2回表  アリアスが3飛失策で出塁。矢野は右前打。藤本の犠打で1死2、3塁からムーアが右翼に2点タイムリー。今岡は右越え2塁打。2死後に金本が右前2点適時打、さらに浜中の左中間2ランで7−0に
 4回表  1死から今岡、赤星が安打。浜中の右翼3ランで10点目
 5回裏  ウッズが1死から右中間にソロもムードは一方的
 6回表  1死から今岡が中前打。赤星の内野安打と金本の四球後に暴投で11点目
 8回表  関本が中越え2塁打。2死となるが金本の左中間2塁打で12点目のホームイン

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