強すぎる阪神が、序盤の猛攻で完勝、8年ぶりに中日戦5連勝を飾った。猛打賞の片岡、金本を中心に16安打のツルベ打ち。13日からの巨人3連戦(甲子園)に弾みをつけたが、試合後、ファンによる暴動が勃発、球場周辺は深夜まで騒然となった。試合には勝ったが、後味の悪さが残った。
|
|
阪 神 |
0 |
2 |
2 |
1 |
2 |
0 |
0 |
0 |
0 |
|
7 |
中 日 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
1 |
0 |
|
2 |
勝:藪6勝
S:− |
本塁打:− |
|
|
|
三回、右前タイムリーを皮切りに3安打の固め打ち!片岡が快調 |
|
アーチはなくとも、点は取れる。途切れることのない集中打で、早々に竜をKOだ。実に8年ぶりとなる中日戦5連勝。その中心にいたのは、そろって猛打賞の活躍を見せた金本と片岡の2人だ。舞台は岐阜・長良川。新旧FA砲の“共演”が、虎党の歓声と竜党のため息を誘った「猛虎劇場」を、鮮やかに演じた。
|
|
9年ぶりの敵地ドラ斬りの藪は打でも活躍、先制タイムリー |
|
まずは金本。初回に左前打を打つ。エンジンがいきなりトップギアに入る。三回の2打席目には、二塁への内野安打で出塁すると、片岡の適時打でホームにかえった。さらに四回には、紀藤から代わった山北から中前打を打ち、桧山の中押しの犠飛を呼び込んだ。
これで5月11日以来となる3安打。さらに10試合連続安打と快音を響かせ続けている。「10試合連続?それは関係ないよ」。
毎年、序盤はあまり結果を残せないために「スロースターター」とも言われている金本。だが今年は、開幕から好調を維持している。「毎年、6月から打ち出す。でも今年は4、5月から打ててるから楽しみなんや」。不安を大きく上回る期待を抱いていたその6月。言葉は濁したが、胸は充実感でいっぱいだ。
一方の片岡は、少し笑みを浮かべながら球場を後にした。「なかなか3安打は打てんかったからな」。二回に左前打、三回には貴重な3点目となる右前適時打。そして五回に左中間二塁打を放って猛打賞。金本が打てば、こっちも負けていられない。
闘将も驚きの声を上げた序盤の猛攻。五回まで14安打は、今年の猛虎打線を如実に示している。「あのイニング(五回)までは、すげーなーと感心して見ていた」。これで気持ちよく13日からの巨人3連戦(甲子園)に臨めるはずだったが…。
阪神ナインが意気揚々と球場を去った後、球場ではとんでもない暴動が起きていた。星野監督や選手に直接関係ない、ファン同士のいざこざが原因とはいえ、気持ちのいいものではない。試合は快勝だっただけに、後味の悪さが残った。(道辻 歩) |