「7」づくしの一席を―。七夕を前に猛虎のナンバー7・今岡誠内野手(28)が先頭打者初球V弾。チーム今季77本目の千金アーチに背番号77も「すごいヤツ」と驚嘆だ。で、ここからはマジ。年間100勝ペースに乗りました。いよいよあす8日にも、闘将の故郷・倉敷で優勝マジックナンバーが点灯するゾ! |
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ヤクルト |
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阪 神 |
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× |
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勝:下柳5勝
S:− |
本塁打:今岡6号 |
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初球を左翼へ。今岡は歓喜のスタンドにマスコット人形を投げ込む |
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見逃したファンは、まだまだ虎党にはなりきれていない。雨雲を切り裂き、ヤクルトファンを押しのけた左翼スタンドに、白球が一直線に伸びていく。今季3度目の先頭打者本塁打。初球に限っても2度目となれば、すでに恒例行事か。今岡猛打ショーの幕開けは、この日も鮮やか、艶やかだった。
ベバリンも分かっていない。やや外角に外れていても、緩い高めの直球など打たれても当然。「今の今岡には投げるボールはない」と和田打撃コーチが断言する。ヒーローが加えた。「甘い球が来たら、初球からいこうと。でもホームランより、一日で3本ヒットを打つほうがうれしいですよ」。それでも打つのだから、やはり素晴らしいの一言に尽きる。
自打球を当てた左足は、いまだに爆弾を抱えたままだ。その中で状態を崩さずに、打球をしんで捕らえる。五回には先頭で登場し、右翼手の失策も絡め三塁まで到達。前夜同様、ヘッドスライディングで甲子園を沸かせた。ベバリン降板の序曲を奏でた最高の一打。「先頭打者の攻撃的な姿勢が、チームに勢いを付ける要因ですね」と、狙い通りでもあった。
「天才」という言葉が合うかどうかは難しい。だが、考えることは奥深い。「集中することだけを考えています。でも永遠のテーマですよ。野球に限らず、人間的にもね」。その積み重ねが結実している現在。今季5度目となった六回の敬遠にも、目を凝らし集中力は切れなかった。
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1、2番に引っ張られ、金本が16打席ぶりの安打でトドメを刺した |
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それが八回のだめ押し打にもつながった。二死二塁から、中前に抜ける当たりで矢野を生還させる。3試合連続となる14度目の猛打賞。75試合を消化しての116安打は、216本を超えるハイペースだ。イチローのプロ野球記録(210本)をも上回るなら、もう「天才」と呼んでも異存あるまい。
これでチームは今季2度目の6連勝。最短で8日にも優勝へのマジックナンバーが点灯する。「勝負強いな。まばたきしとったら、1点入っていたな。あいつのスイートポイントやな」。目を細めた闘将には、確かな像として映っているのだろうか。
今岡の先頭打者アーチは今季チーム77本目。7月7日を挟み、星野阪神では最多タイとなる昨年の開幕7連勝に並ぶチャンスを迎えた。背番号7の男。ラッキーナンバーの横並びには、すでに爆発の予感が漂っている。(鶴崎唯史) |