18年ぶりのV美酒に酔いながら、一夜経てばシャキッ―。“宴会明け”でもスキなく強いのがタテジマ軍団だ。G・アリアス内野手(31)がバース以来となる虎戦士100打点を刻み、星野監督の年間最多勝となる82勝目を誘導。併せて球団新の甲子園45勝目と、まさに優勝御礼の快勝劇で〜す! |
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広 島 |
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勝:井川17勝 S:− |
本塁打:アリアス35号、関本3号、早川3号 |
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祝宴の後のわびしさは“セ界の覇者”には無縁だ。「昨日の盛り上がりを見ていたら、きょうは(気が)抜けると覚悟していたけど…」。指揮官も舌を巻く集中力。優勝球団が年に1度だけ“二日酔い”でも堂々としていられる特別な日にも、貫録だけが光った。
A砲のバットが火を噴いたのは四回だ。高橋の141キロ直球を左翼スタンドへ同点ソロ。芸術的な弧を描いた35号弾を見届けたアリアスは、ニクイほど冷静にベースを1周した。
阪神では“神様”バースが86年に達成して以来、17年ぶりの100打点。「あれだけ素晴らしい成績を残した選手と比較されるなんて、とてもありがたいよ」。今季初の4番に座った好調の波は本物。着火したら止まらない勢いは“神様”に引けを取らない。
リーグVを決めた15日の試合中、米国・アリゾナで第3子が誕生した。生まれたばかりの息子・ニコラスちゃんに贈るアーチに「昨日の試合中は子供が生まれるかもしれないとナーバスになっていたけど、今日はエキサイティングだった」と笑顔がはじけた。優勝と誕生の2つのビッグなイベントが終われば、見据える先は“キング”に絞られる。
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1軍昇格でいきなり結果を出した。左中間に豪快ソロの早川 |
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この試合まで34本塁打とトップで並んでいたウッズは、2発を放って36本塁打。1本リードされた。しかし、レイチェル夫人と新しい家族に会うための一時帰国の予定は変わらない。「星野監督から許可をもらって感謝しているよ。でも、試合でプレーしている限りは一生懸命やる」。指揮官の心遣いには、タイトルで応えるしかない。
帰国は23、24日の巨人戦(甲子園)ごろから、登録抹消期間の10日間となる見込み。予備日で試合間隔が空くため、その間最少3試合の欠場で済ませる首脳陣の意図がある。狙えるものは狙わせる。“キング”は最強軍団の中に存在してこそふさわしい。
1シーズン82勝は星野監督が指揮官として挙げた最多勝ち数となった。甲子園45勝目も球団史上トップ。胴上げした指揮官の涙は忘れはしない。歓喜のウエーブで祝ってくれた、5万3000人の笑顔も…。ボスのために、ファンのために、そして愛する家族のために、栄光の数字をアリアスがもっともっと積み重ねていく。(船曳陽子)
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