今村、上原フォーク習得で侍生き残りだ
3月に行われるWBC日本代表候補の広島・今村猛投手(21)が6日、佐賀・伊万里市内で行われた少年野球教室に堂林翔太内野手(21)、迎祐一郎外野手(31)とともに参加。年明けから長崎で行っている自主トレですでにWBC球を使用し、2月15日から宮崎で始まる代表合宿へ向け、アピール態勢を整えていることを明かした。上原浩治投手(37)=レッドソックス=のフォークを理想に勝負球を磨き、侍メンバー生き残りを狙う。
侍ジャパン生き残りへ、ゆっくり休んでなどいられない。伊万里での野球教室を終えた今村は「これからまた練習します」と、故郷・佐世保へと急ぎとんぼ返りした。
2月15日から始まるWBC代表合宿へ向け、調整は急ピッチだ。母校の長崎・清峰高で年明け4日から自主トレを開始。走り込みや体幹を鍛え、WBC球を使用しキャッチボールも行っている。
「滑る感覚はありますね。スライダーは抜けたりする。慣れていくしかない」と感触の違いは少なくない。それでも「指に挟むボール、フォークに関しては変わらない」と、フォークが大きな武器になる手応えを口にした。
昨季序盤はものにできなかったフォークだが、大野前投手コーチらに話を聞き、シーズンを通し試行錯誤。9月には感覚をつかみ、試合でも勝負球とした。昨秋キャンプでも精度を磨いてきた。
理想とするのがレッドソックス・上原だ。「巨人の時の上原さんは本当にすごいと思った。(理想は)上原さんのような速いフォーク。三振は取れなくても打ち取れる球」。昨季は140キロ台未満だったが、「(球速が)上がってくれたら」と140キロ台の高速フォークを手に入れる考えだ。
3月のWBC本戦メンバーは28人。現在34人の代表候補は練習、強化試合などを通し6人が外れる。投手は16人から3人が落選する見込みだ。当落線上の今村は「アピールが必要。アピールとはしっかり結果を残すこと」と闘志満々。2月1日の宮崎・日南キャンプ初日にはブルペン入りし、合宿には試合仕様の肩に仕上げていく。
先月18日に腫れやすく体調不良の原因だった、へんとう摘出手術を受けた。しばらく流動食しか口にできず“減量”したため、年明けから体は軽い。この日は野球少年ら相手に打撃投手を務めた。軟球で山なりとはいえ、約400球もの球を投げた。
侍候補の最年少だが、勢いは十分。21歳剛腕が浅尾(中日)、山口(巨人)、涌井(西武)ら並み居る先輩侍とのガチンコ勝負に挑む。