マエケンさあ初実戦 先発で全球種投げる
「広島春季キャンプ」(9日、日南)
WBC日本代表候補の前田健太投手(24)が、今年初の実戦登板となる紅白戦(10日)で戦闘モードに入ることを誓った。先発で2回の予定。WBC本番を見据え、全球種を投げ、打者を抑え込むことを予告した。8日には肩の張りを訴え、予定されていたシート打撃を回避したが、焦りはない。眠っていた闘争心をいよいよ呼び起こす。
今年初の実戦を前に、前田健の瞳は燃えていた。「球種も全部投げます。打者を抑えるイメージを思い出したい」。短いオフで休養モードだった心と体。14日の日本代表合宿合流に向け紅白戦でスイッチを切り替える。
3月開催のWBCを見据え、例年よりもハイペースで調整してきた。通常は第2クールに入るブルペンだが、今年はキャンプ初日に入った。しかも2日も“異例”の連投。フリー打撃にも登板し、着々と肩をつくってきた。
これまでと異なる調整方法でアクシデントもあった。7日のブルペンは球数28球と少なく切り上げ、8日には予定されていたシート打撃を急きょ回避。「投げてピリッとくるのが嫌だった」と10度を切る気温の影響もあり、思うように進まなかった。
それでも「シーズン中には(登板2日前に)ブルペンに入らず投げたことはある」と問題がないことを強調。WBCが目前に控え、立ち止まるわけにはいかない。
紅白戦では先発で2回を投げる予定。テーマは実戦感覚を取り戻すことだ。「ブルペンだけでは打者を抑える方法を忘れてしまう。ブルペンでは感じられないことを感じたい」と、意気込んだ。
この日はキャッチボールや投内連係などで汗を流した。日本代表では先発投手の柱として期待されるマエケン。本番で最高の投球をするために、今は一歩ずつ階段を上る。