中田、豪快弾連発で左翼獲りアピール
「WBC日本代表候補合宿」(16日、宮崎サンマリン)
中田翔外野手(23)=日本ハム=の最終メンバー入りに、当確ランプがともった。フリー打撃では豪快アーチを連発。猛アピールが実り、侍ジャパンの初陣となる、17日の広島戦で先発出場することが決定。一気に左翼のレギュラー候補として躍り出た。
“主役”はまたも中田だった。注目のフリー打撃。中田は2度の2連発を含む、9本の柵越え。すべてが高い放物線を描き、持ち前の長打力をアピールした。「楽しんでできている。しっかり自分のスイングができています」。重圧とは無縁の若武者が、2日連続で存在感を見せつけた。
左翼席では少年少女が本塁打を待ち受ける“中田シフト”が敷かれ、飛び跳ねる白球を追いかけた。本人は「うれしいけど、子どもに当たらないかなと心配した」と苦笑したが、フリー打撃が終了すると、1万9000人のファンは拍手喝采(かっさい)。この光景には「拍手はびっくりした。うれしいです」と相好を崩した。
首脳陣の評価もグングン上昇中だ。前日は外野守備でレーザービームを連発し、一塁の守備でも堅実さをアピール。山本監督は長打力と守備力を評価したうえで、広島戦の起用について「(明日は)スタートと考えている。レフトになる予定」と明言した。
当初は外野のメンバー当落線上と見られていたが、合宿が始まり一変。高代内野守備走塁コーチは「中田の守備力はうれしい誤算」と評価した。相手が左投手の場合、中田を一塁で先発させる構想も出るほど、大きな戦力として期待され始めている。
広島戦に向けて、中田は「自分のスイングをしたい」と意気込んだ。大きな可能性を秘めた23歳が、3連覇のキーマンとして浮上してきた。