今村ケンカ投法!東尾コーチもホレた
「WBC日本代表候補合宿」(16日、宮崎サンマリン)
今村猛投手(21)=広島=が日本代表の東尾修投手総合コーチ(62)から“ケンカ投法”を厳命された。今村は右打者の懐へ投げ込むシュートを武器とする。現役時代にはシュートを武器に165個死球のプロ野球記録を持つ元祖“ケンカ投法”直伝の胸元をエグる強気の投球で、打者をねじ伏せる構えだ。
真横に鋭く曲がる球がミットを突き刺した。右打者の内角をエグる伝家の宝刀。今村が、首脳陣にシュートを猛アピールした。
代表候補合宿2日目で初めてブルペン入り。捕手を立たせ軽めのキャッチボールで肩を温めると、捕手を座らせ一気にエンジン全開だ。直球とシュートのみを45球。右腕に力を込め、気迫あふれる投球を披露した。
中でもシュートが抜群のキレをみせた。次第に侍首脳陣の目がくぎ付けになった。投球練習ながら14球連続で投げ込んだ必殺球に高評価がうかがえた。投球後、本人は「東尾さんに投げろと言われたので」とおどけた。
連続投球を指示した東尾コーチはかつて、右打者の内角へ鋭く食い込むシュートを武器に通算251勝を挙げた。さらに、恐れず懐をエグる投球は「ケンカ投法」との異名をとった。死球数は日本記録の通算165個。そんな大投手が魅せられた殿下の宝刀。“元祖”も国際舞台でも通用すると見たようだ。
今村は日南キャンプでもシュートをより効果的に使うための練習は積んできた。特に意識したのが、右打者の内角へ投げ込むカットボールだ。ストライクゾーンを左右に広く使えるようになれば、打者は球種を絞りにくくなる。
この日は「緊張もあった。全然良くなかったです」と、すべての球が納得できるものではなかった。それでも途中からマスクをかぶった阿部は「ナイスボール」を連発。最後には「いいボール過ぎだね」と言わしめるほどの出来だった。
17日の強化試合では、先発する前田健に続いて広島の2番手として1回を投げる予定。背番号「16」は「結果を残すだけです」と力を込めた。
13日の広島キャンプ視察後、山本監督が「セットアッパー的に使いたい」と明言した。シュートを武器に、強気に攻める投球で、その座を確実なものとしてみせる。