シャッフルで打線覚醒!浩二監督も安心
「WBC壮行試合、豪州3‐10日本」(24日、京セラ)
打順組み替えがいきなり奏功した。13安打10点の完勝だ。初回に内川聖一外野手(30)、長野久義外野手(28)の適時打で2点を先制。1点を追う四回には2死満塁と攻め、松井稼頭央内野手(37)が走者一掃の3点三塁打を放ち逆転した。先発の前田健太投手(24)は3ランを浴びるなど不安を残したが、WBC本番へ向けて打線は確実にかみ合ってきた。
光が差し込んだ。1番に坂本、3番に内川、5番に長野を配置する新打線が爆発。13安打で10点を奪い、オーストラリアを圧倒した。テコ入れが奏功した山本監督は「代えた打者が仕事をしましたね。つながりがあり、良かった」と、してやったりの笑みを浮かべた。
カンフル剤の効果はてきめんだった。3番から1番に変更となった坂本は3得点の働きで、切り込み隊長として存在感を発揮。5番から3番に昇格した内川は先制適時打を含む、3安打3打点と活躍した。不振のため1番から“降格”となった長野も一回に適時打を放ち、クリーンアップの仕事を果たした。
テコ入れの決断は、前夜のオーストラリア戦の試合中だった。八回に相川の逆転3ランで辛勝したが、七回まではわずか1安打。17日の広島戦に続き、貧打を露呈した。「明日は変えないかんと思った」と振り返る山本監督。2番に起用した松井も逆転の3点三塁打を含む4打点、初先発の角中も2安打と活躍した。
一回、いきなり期待にこたえた内川は「昨日と打順が変わって最初の打席。思いきっていった。チームの雰囲気も変えたかった」。不振脱出の兆しをつかんだ長野も「内川さんが最初にランナーをかえしてくれたので、楽に打席に入れた」と安どの表情を浮かべた。
主力が息を吹き返し、侍ジャパンの“お家芸”ともいえる「スモールベースボール」も機能した。2盗塁はいずれも得点につながり、セーフティーバントやヒットエンドランでも相手にプレッシャーをかけ続けた。ここまでの実戦ではさい配を振るう場面が少なかったが、山本監督は「足を使った野球はこれからもやらないといかん」と本大会を見据えた。
今後の起用法について、指揮官は「稲葉と松田、この2人は心配だが、日にちはない。状態のいい選手を使いたい」と明言。つかんだ勢いを手放さず、3連覇に突き進む。