マエケンやっぱり不安…痛恨3ラン被弾
「WBC壮行試合、豪州3‐10日本」(24日、京セラ)
調整遅れの不安を一蹴するまでに至らなかった。2点リードの三回2死二、三塁。フルカウント。甘く入ったスライダーを3番・ヒューズに左翼2階席へ運ばれた。痛恨の逆転被弾に、広島・前田健太投手は口を大きく開け、スタンドを悔しそうに見つめた。
3回を56球。2安打3失点で最終調整を終えた。「いろいろ不安があるとか意見が出ていたので払しょくしたかった。結果を出したかった。悔しいです」と唇をかんだ。
広島の先発として登板した17日の強化試合では“立ち投げ”のようなフォームで、直球も130キロ台だった。しかしこの日の立ち上がりは、復調を感じさせる内容。思い切り腕を振る本来の躍動感が戻っていた。右肩の張りによる調整遅れも感じさせなかった。
初回を三者凡退に抑え、二回無死二塁では、10年に広島でチームメートだったヒューバーをスライダーで空振り三振。M・ケネリーに対しては、この日の最速145キロをマークした。
落とし穴は三回だ。先頭の8番・アダムソン、9番・デービーズの下位打線に連続四球。2死までこぎつけたが、ヒューズに痛すぎる逆転弾を浴びた。3イニング目に入って、球威がガクッと落ち、制球も甘くなった。
侍合宿ではブルペン入りが1度だけ。投げ込み不足が響いている。それでも山本監督は「球数が50球になって抜けてきたけど、次回は大丈夫だ」と3月3日の中国戦先発予定は変えない方針だ。
「この前よりは良くなった。次はもっと良くなる」とマエケン。この試合での3イニングを糧に、本番こそ無失点に抑える。