侍迷走…打順決まらずセンター返し指示

 WBC日本代表は27日、大阪から福岡に移動し、ヤフオクドームで全体練習を行った。首脳陣は大会前最後の実戦となる28日の巨人との強化試合で、角中勝也外野手(25)を2番に入れる新打線を試す方針だ。波に乗れない侍ジャパン。いまだに打線を固定できず、この日の練習では野手に異例の“センター返し指令”が出るなど、迷走ぶりが浮き彫りになった。

 その迷走ぶりが、首脳陣の苦悩を物語っていた。本大会前最後の実戦となる28日の強化試合・巨人戦に向けて、首脳陣はまた打線の組み替えを決断した。

 山本監督は「あした、決めます」と明言こそ避けたが、ポイントは上位だった。「角中を1、2番にしたら面白い。1、2番が大事」と立浪打撃コーチ。1番・坂本の後ろに、24日の豪州戦と26日の阪神戦の2試合で7打数3安打と好調の角中を入れる案を披露した。

 「任されたところで頑張ります」と角中。新1、2番コンビで苦境を打開したい考えだが、いまだに打線を固定できない。当初は28日の巨人戦で本大会を想定した打順を組み、盤石の態勢で1次ラウンドに臨む方針だったのだが、いまだ手探りの状況は深刻だ。

 打線を組み替えた24日の豪州戦は10得点と爆発したが、26日の阪神戦では17日・広島戦に続く完封負け。当然、首脳陣はあの手この手で低迷打破を目指している。

 この日の全体練習。フリー打撃の順番などが記入されたホワイトボードに「センター返し」の文字が記されていた。選手に意識させることが目的で、山本監督は「少し(野手の)テークバックが大きくなっている。こういうことをやっていくと変わってくる」と説明した。

 フリー打撃で野手が、すべてセンター方向に打ったわけではないが、「ずっと考えていた」と坂本は首脳陣の意図の理解を口にした。だが日本を代表する選手たちに基本中の基本を指示すること自体が極めて異例だ。

 残された時間は限られている。追い詰められた山本監督は、方針転換することも示唆した。これまで左右を交互に組むジグザグ打線にこだわってきたが「そんなに意識はない」ときっぱり。「選手をいろんな形で使いたい」と当初方針を白紙にしてでも、打線爆発の糸口を見つける考えだ。

 侍ジャパンは一体、どこに向かい、どうなってしまうのだろうか…。

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