マー君、もう大丈夫だ今大会初の0封
「WBC・2次ラウンド1組1位決定戦、日本10‐6オランダ」(12日、東京ド)
開幕投手としての底力を見せつけた。ここまで調子の上がらなかった楽天・田中将大投手(24)が、五回から3番手で登板。1回を無安打に抑え、2三振を奪った。有力視される決勝戦先発に弾みをつける快投だった。
これまでの力み、焦りはない。冷静に、目の前の打者を抑えることに全力を傾けた。3番手で登板した田中は1回を3人でピシャリ。2三振を奪った。
2次ラウンド1位通過に貢献。「初めてゼロに抑えることができてホッとしています。いいものを出すことができた」。復活への一歩を踏み出した右腕は表情を引き締め、次戦のマウンドを見据えた。
本戦過去3試合ではいずれも失点。失敗を繰り返すわけにはいかない。過去の反省を胸に、マウンドへ上がった。「気持ちの面で入れ込み過ぎた。シーズン同様の気持ちで投げた。それがよかった」。力任せの投球に頼らず、遅い変化球を織り交ぜた。先頭のボーハールツは110キロ台のカーブで空振りを奪うなど2球で追い込み、最後は決め球スプリットで空振り三振を奪った。
2死後、オデュベルへの初球もスローカーブでストライクを取り、1ボール2ストライクからスプリットで空振り三振を奪った。1回を3人斬り。快投にも静かにマウンドを降りた。「自分は似た球速のボールが多いので目先を変えることも大事」。緩球を使う投球に、収穫の手応えを得た。
信頼してくれている首脳陣の期待に応えたかった。6日のキューバ戦から中継ぎとしてスタンバイ。先発一筋の男が、救援の大変さも経験した。不振脱出へ東京ドームの外野ポール間を黙々と走り込み、ようやく答えが出た。
「ここまで来たら優勝しかない。楽しんで自分のプレーを出したい」。3連覇へ向け、決勝の大一番へ弾みのつく0封劇だった。