あぁ受難侍…敵地の洗礼?トラブル続出

 「WBC準決勝、日本‐プエルトリコ」(17日、サンフランシスコ)

 WBC日本代表が16日(日本時間17日)、相次ぐトラブルに見舞われた。スタッフの手違いでチームの荷物がロストバゲージとなり、準決勝のプエルトリコ戦に向けた公式練習の開始時間が大幅に変更。練習後には、宿舎へ戻るバスのバッテリーが上がり、30分も足止めを食らうなど、散々な一日となった。

 これも、アウェーの洗礼か。トラブルは練習後に起きた。球場から宿舎へ戻ろうと、バスに乗り込んだ首脳陣と選手たち。だが、エンジン音が響かない。米国人と思われる運転手は何度も首を振り、お手上げ状態だ。「バッテリーが上がってしまったみたいです」。関係者が青ざめた表情で、バスをかけ降りた。

 真っ暗な車内で待ちぼうけを食らい、山本監督はぼう然。スタッフから説明もないまま時間だけが過ぎ、内川は「何が起きたんですか」と報道陣に逆質問した。約30分後、裏方数人がバスを押して強制移動させ、詰まっていた出口を開放。後方に停車していた別のバスに全員が移動し、ようやく出発した。

 実は、練習前にも別のトラブルが起きていた。この日、予定では正午から公式練習が行われるはずだった。だが、アリゾナからサンフランシスコに到着するはずだったチームの荷物が、スタッフの手違いによりロサンゼルスへ到着。急きょ、練習の開始時刻が午後7時に変更された。

 練習前、山本監督は開始時間の変更について「変わることもありうると聞いていたから。言われた時間でやるだけ」と平静を装った。だが、2度目のトラブルにはさすがにいら立ちを隠せない。別のバスに移動する際、報道陣から「とんだ災難ですね」と問いかけられたが、厳しい表情のままうなずくだけだった。

 プエルトリコとの準決勝を翌日に控え、日本では起こりにくいトラブルが連発。梨田野手総合コーチは「海外に行けばこういうこともある」と苦笑いを浮かべるしかなかった。3連覇まで、あと2勝。頂点まで上り詰めるためには、どんな“逆境”も乗り越えていくしかない。

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