内川が涙「全部自分が…申し訳ない」
「WBC準決勝、日本1‐3プエルトリコ」(現地時間17日、米国サンフランシスコ・AT&Tパーク)
日本代表の大会3連覇はかなわなかった。0‐3の八回に1点をかえしたが、続く反撃の好機をつぶすなど、あまりに悔しい敗戦となった。
試合を分けたのは八回の攻撃。1死から鳥谷の三塁打と井端の適時打で1点をかえし、1‐3となった直後だ。内川が右前打で続いて1死一、二塁。打席に阿部の場面で、1ストライクからの2球目。二走の井端が三盗のスタートを切ろうとしたが自重した。
しかし、一走の内川が二塁へスタート。投球はボールで、捕手モリーナがボールを持ったまま、二塁手前で立ち止まる内川を追いかけ、そのままタッチアウト。勢いは一気にそがれた。
山本監督は試合後、この場面について「(ダブルスチールで)いってもいいというサインだった。投手のモーションが大きいのはビデオを見て分かっていた」と説明。「スラッガー阿部慎之助が打者なんですが、ひとつでも前の塁に行くという姿勢、これは失敗しましたが、私はこの作戦は失敗か成功か。悔いはありません」と話した。
一方、前走者を確認せずスタートを切った内川は、ショックを隠しきれなかった。「僕のワンプレーで終わらせてしまって申し訳ない」と気丈に振る舞ったが、徐々に涙をこらえきれなくなった。
「いろんな人から3連覇をぜひって言ってもらってましたし…。今回だけじゃなくて、2大会連覇してくれた選手の方々もいらっしゃいましたし、そういうものを全部、自分が止めたような気がして…申し訳ないです…」と、終戦の責任を背負い込んだ。