マエケン悔しい…5回1失点も敗戦投手

 「WBC準決勝、日本1-3プエルトリコ」(17日、サンフランシスコ)

 日本代表はプエルトリコに1‐3で敗れ、準決勝敗退が決まった。先発を託された広島・前田健太投手(24)は、5回を1失点と力投したが、無念の敗戦投手に。今大会、侍ジャパンのエースとして支えたマエケン。帰国後は気持ちを切り替えて、カープのエースとしてチームをけん引する。

 九回裏、前田はベンチから身を乗り出し、懸命の声援を送ったが、祈りは届かなかった。敗退が決まると、胸に悔しさを押しとどめ、現実を受け止めた。「すごく悔しいです。世界一を目指して戦ってきたので…。今は何も言えない気持ちです」と唇をかみしめた。

 山本監督から絶大な信頼を受け、大一番の先発マウンドを託された。2次ラウンド、10日のオランダ戦に快投で応え、決勝トーナメント進出へと導いた。その試合後、山本監督の公開インタビューで異例の公表で、準決勝の先発を告げられたが、マエケンはお立ち台で「任せてください!」と自信満々に答えていた。

 そして迎えた決戦のマウンドで5回を4安打1失点。期待に応え、十分に合格点の投球をしたが、記録上はルーザー(敗戦投手)と記された。

 初回に喫した唯一の失点を「(初回は)慎重になり過ぎた。四球から失点して悪い流れにして申し訳ない」と反省した。

 これが国際舞台だ。立ち上がり、2次ラウンドまでとは全く違う、重苦しい雰囲気に震えた。「今までにない緊張をすごく感じた。久しぶりに緊張した」と言うように、初回は大胆さが消えた。

 1死後、ファルー、ベルトランに連続四球で一、二塁。4番・Y・モリーナは三振に仕留めたが、5番・アービレイスにスライダーを中前へはじき返された。天を仰いだ。

 それでも、崩れないのがエース。ストライクでもおかしくない際どいコースを再三、ボールと判定されても耐えた。二回以降は要所を締めた。高低差十分のカーブを織り交ぜ、五回まで無失点。制球も安定しただけに、初回の唯一の失点が悔やまれる結果になった。

 今大会の開幕前は右肩の張りに苦しんだが、本番にはきっちり仕上げた。初めての国際舞台で計3試合、15回を投げ失点はわずか1。防御率0・60。世界にマエケンの名を知らしめた。山本監督は試合後「前田は非常にいい投球をしてくれた」と賛辞を贈った。

 今後は19日に帰国する。広島首脳陣は予定通り、前田に29日・巨人戦の開幕投手を託す方針だ。「いい経験をさせてもらって自信になった。投げられたのは財産になる」。日本の3連覇は成らなかったが、WBCでさらに成長した侍のエースが、次はカープの絶対エースとして、魂の全力投球に臨む。

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