侍合宿の主役になった“宇田川ジャパン” 本戦では「他のリリーバーと違う体質」にピンチの火消しを期待

 宮崎合宿を終えダルビッシュ(中央左)とタッチする宇田川と湯浅(撮影・山口登)
 自身のサインと宇田川のサインが入った“相合い球!?”を嬉しそうに眺めるダルビッシュ(撮影・吉澤敬太)
 強化合宿を打ち上げタッチを交わす宇田川(右端)、(左から)ダルビッシュ、今永、佐々木朗ら(撮影・吉澤敬太)
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 宮崎での侍ジャパン強化合宿で、投手陣の中心にいたのは、宇田川優希投手(24)だった。ダルビッシュや村上に劣らない、主役級の話題性。本人も「短い合宿だったんですけど、成長できた」と11日間を振り返った。

 初日は人見知りでロッカールームなどでも孤独。常にオリックスで同僚の山本由伸投手にくっつき、他球団の選手とは会話ができなかった。しかし、休日の投手陣食事会を経て、一変。その会は“宇田川会”と名付けられ、翌日から別人のように笑顔が咲いた。

 山本は強化合宿で印象に残ったことに「宇田川が人気者になった。オリックスでも好かれていて、それが代表のみんなの前でも力が発揮されて、すごくうれしい」とほほ笑んだ。

 クールな佐々木朗も宇田川の名前が挙がると、つい白い歯がこぼれる。仲良くなった選手に宇田川を挙げ「みんなでいじったりしている。試合で抑えた後にすごい口数が増えたなと思いました」と“口撃”してみせた。

 宇田川の本性をさらけ出したのは、ダルビッシュ。最終日に総括した。「このチームの中心というか、特に投手陣の中心ですごく笑いを取ってくれた。この前も言ったんですけど、本当に手の届かないところにいってしまったので、さみしい気持ちもあります」と話した。

 25日の壮行試合・ソフトバンク戦では、ピンチからイニング途中の登板で火消し。イニングまたぎも無難にこなした。では、WBC本戦ではどのような起用になるのか。厚沢ブルペン担当コーチが見通しを立てた。

 「あとはマウンド上で結果を求められる。彼のアドレナリンの出し方も含めて、走者を置いた場面での投球に期待がしたい。清武(オリックス)でキャンプをしてた時よりも、ボールには馴染んできてくれた」

 本戦でも、壮行試合のような場面での登板に期待した。イニング頭からではなく、ピンチでの救世主。強化合宿の主役から、“助演”での活躍を求めた。そこには、厚沢コーチの裏付けもある。

 「マウンド度胸もですけど、クイックの方が球を制球しやすい投げ方なんです。走者なしからクイックすればいいじゃないかっていうことではなくて、走者を置いた状況でガッと入ってくる投手ってなかなかいないんですよ。それを去年、間近で実感させてもらった。他のリリーバーと違う体質を持ってる」

 昨季はオリックスでシーズン終盤に台頭。短期決戦でも無類の強さを発揮した。イニング途中からの火消し、イニングまたぎもこなせるのは、これ以上ない強みだ。

 強化合宿で投手陣の中で浸透した“宇田川ジャパン”。本戦での活躍次第では、日本中が宇田川の虜になるかもしれない。

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