文字通りの総力戦 我慢実った栗山采配 山田は「まさかの一塁」“切り札”周東「準備していた」
「WBC準決勝、日本代表6-5メキシコ代表」(20日、マイアミ)
日本はメキシコに劇的な逆転サヨナラ勝ち。激闘を制し、3大会ぶりの決勝進出を果たした。
まさに総力戦。栗山監督の我慢強い采配が光った戦いだった。指揮官は「大事なゲームになればなるほど、最後のイニングの難しさは過去監督やってる中で感じていた。必ず最後にチャンスがあると信じていた」と、激闘を振り返った。
劣勢の展開、七回には吉田の3ランで追いついたが、次の5番・村上には代打を出す準備もしていた。だが、3ランで追いついたことで山川は待機。村上はそのまま打席に送っていた。
八回には左翼手・吉田の好返球で6点目を阻止。その裏、無死一、二塁から源田に3バントを指示して好機を広げると、代打・山川を送り犠飛で1点差に迫った。必死に食らいつき、九回に持ち込んだ。
九回は第3捕手の大城が大勢とバッテリーを組み、山田が一塁に就いた。山田は「まさかファーストを守ると思ってなかった。いろんな展開が今日は起こっても、違和感なくというか」。万が一に備えて残した万能選手の牧原以外は野手を使い切った。
九回の攻撃ではサヨナラの走者が出ると、迷わず“切り札”周東を起用した。「自分が行くというところをイメージして準備していた。七回くらいから、いつでもいける感じではいました」と周東。超快足を飛ばし、サヨナラのホームへ滑り込んだ。
最後の最後で、劇的打を放って応えた村上。指揮官は「最後はお前で勝つんだとずっと言ってきた。僕は信じてます」。我慢と信念の采配が、最後に実を結んだ。