侍・大谷 夢が作る野球人生、最後まで笑顔 2009年WBC見て「ワクワク」 世界一で叶った

 優勝を決め帽子を投げる大谷(撮影・吉澤敬太)
 世界一になり抱き合うダルビッシュ(奥)、大谷(撮影・吉澤敬太)
 戸郷にシャンパンをかけられ、目が開けられない大谷
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 「WBC決勝、日本代表3-2アメリカ代表」(21日、マイアミ)

 夢を叶えた。野球日本代表「侍ジャパン」が22日、米国との決勝戦で勝利。日本代表初となる全勝優勝で、2連覇を果たした2009年の第2回大会以来となる世界一を奪還した。九回を締めたのは大谷翔平投手(28)。エンゼルスの盟友・トラウトを空振り三振に斬り、歓喜の雄たけびを上げた。大会MVPを獲得し、投手&指名打者の2部門でベストナイン入り。二刀流が伝説となった。

  ◇  ◇

 侍ジャパンを明るく照らす、ひまわりのような存在だった。大谷の笑顔が印象的だった世界一までの軌跡。「プレッシャーも込みで、人生の中でそうそう経験できる舞台ではないし。本当にこういうところでプレーしている感謝の気持ちも込みの楽しさです」。特別な思いで背負う、日の丸の舞台だった。

 悔しい記憶がある。17年の前回大会は右足首のケガで出場を辞退。「なおさら今回出場したい」。幼き日に見た憧れのマウンドに、気持ちは自然と前へ向いた。印象に残る09年のWBC。「日本のトップ選手が他の国のトップ選手とやっているのを見るだけでワクワクした」と、当時14歳だった野球少年の記憶は鮮明。野球が楽しくて仕方なかった時代の世界一だ。夢になった。

 「いつか、自分がここでプレーできたら面白いだろうなって」

 かなった夢舞台で、大谷は無邪気だった。インタビューを受ける岡本和や近藤、ナインらに隙を見てはちょっかいを出した日。「由伸(山本)が(夕食に)連れてってほしいという感じだったので、しょうがなく行きました」といたずらっぽく笑った日。味方の一打に喜び、凡打に悔しがる一面は、誰よりも野球少年そのものだった。

 「正直、終わってしまうのがちょっと寂しいような気持ちもあります。昨日も今日も、どうなるか分からない試合だった。この2試合は忘れないと思います」。最後まで笑顔で駆け抜けた3週間。汗を拭ったが、涙はない。夢がつくる野球人生が、最高の輝きを放った。

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