年々過酷な鍛錬行う新井に今年も期待
正月気分もすっかり抜け、球団初の3連覇を目指すカープの各選手もそれぞれの場所で自主トレーニングをスタートさせている。昨年暮れは広島県内の各所で行われたイベントに引っ張りだこで、短いオフだったと思うが、その忙しさも連覇したからこそ。ありがたみを含め、いろんな思いを胸に1月の“鍛錬”に入ったに違いない。
中でも目を引くのが今年でプロ20年目を迎えた40歳の新井だ。忙しいスケジュールの合間を見つけては市内のトレーニングジムに通って体を鍛え上げ、先週11日には石原、会沢、堂林の3人と共に和歌山・高野町の「高野山清浄心院」まで出向き、恒例の護摩行に挑んだ。
アスリートにとって大事なものは“心技体”と言われるが、新井は長いシーズンが始まる前、ジムで体を、そして護摩行で心の準備を丹念に行う。それだけでも凄いことなのに、これを今年で14年連続で行っているのだから恐れ入る。
1シーズン終えた時点で見えてくる課題や体の状態は毎年違うはず。これが40歳を過ぎればなおさらだ。普通ならトレーニングの内容を変えたり、疲労回復に多くの時間を割いたりするが、彼の場合は逆。年齢的な体力の衰えはトレーニングで補う-。だから年々その強度を上げないといけないらしい。分かるような気もするが普通ではない(苦笑)。そんな“同級生”に今年も期待したい。
一方で、若手に目を転じると、毎年のように進化を求め、新たな事にチャレンジする姿が印象的である。他球団の選手と合同自主トレをし、リーグの垣根を越えて互いの感覚を確かめ合うのもいい刺激になる。2016年の鈴木がソフトバンク・内川と同じ時間を過ごしたことで、ブレークした例もある。
一流選手から学ぼうとする姿勢はいいことだが、一緒に練習することで自分を見失わないことが大事。体力、技術、実績が違うのだから、練習内容、量が同じではいけない。やるのであれば、自分で課題を持って取り組んでいってほしい。
ベテラン、若手それぞれが2018年シーズンへ大事な一歩を踏み出した。その一歩が今年こそ日本一につながると信じている。