2軍スタート 福井&加藤に“必死さ”の変化
若手投手たちのアピール合戦が続くカープの宮崎・日南春季キャンプ。早くも第3クールに突入し、沖縄での第2次キャンプが近付いてきた。その一方で、東光寺球場で日々鍛錬を積んでいる2軍の選手たちも、1軍昇格を目指して目の色を変えている。先日、そんな彼らの動向をチェックしてきた。
野手では小窪や天谷、岩本という1軍でも実績のある選手が「格が違う!!」とばかりに存在感を示していた。しかしそれはある意味当然のこと。ファームで目立たなければ、1軍の戦力になりようがない。話題はドラフト1位・中村奨に集まるが、彼らは彼らでしっかり調整している。
そんな中で目についたのが、実績はありながら1軍から漏れた福井と加藤の2人。ドラフト1位で昨年結婚したという共通項を持つ2人の“必死さ”がブルペンからヒシヒシと伝わってきた。
頭を丸刈りにして気合を示す福井は今年が本当に瀬戸際だが、加藤もプロ2年目にしてすでにその状況下にある。以前に当欄で指摘したが、昨年の加藤は「ボールの質を上げたい!!」という一点のみに固執し、制球力は二の次にしていたように見受けた。だが、今キャンプでは制球を重視した練習に徹しているようだ。投げ終えた後のフォローもしっかりしているし、球のバラツキも少なくなった。シェイプアップした体つきをみても、彼の中での変化を感じる。
ブルペンでの投球練習後、佐々岡投手コーチに聞くと「だいぶ意識が変わってきたようだ」と話していた。昨秋は厳しい言葉を投げかけていた同コーチだが、一定の手応えをつかんでいるのだろう。
加藤も福井も突如制球を乱し、自滅する印象のあるタイプ。分厚い1軍の先発陣の中に食い込むためには、そのマイナスイメージをまず払しょくしないといけない。自らに課せられた課題を一つ一つクリアしつつ、生まれ変わった姿を見せていけば必ずチャンスは訪れる。そうなれば、上にいる大瀬良や岡田、九里などの尻に火が付くのは必至。その日を楽しみに待ちたい。