新井離脱…頼ってばかりではいけない

 シーズン開幕が目前に迫る中、ショッキングがニュースが飛び込んできた。ベテラン新井の戦線離脱だ。左ふくらはぎを痛め、復帰まで約1カ月かかる見込みだという。

 勝負強い打撃ももちろんだが、チームの精神的支柱としての役割も果たしてきただけに新井不在の影響は大きい。試合に出ていなくてもベンチにいるだけでチームは活気づく。いい時も悪い時も率先して声を出してナインを鼓舞し、うまくいかなかった選手がいれば、さりなげく声をかけてフォローする。どれだけチームは助けられてきたことか。

 痛めた場所が場所だけに無理は禁物だ。しっかりと治して戻ってきてもらいたい。一方で残された選手たちもいつまでも彼に頼ってばかりではいけない。こういう時こそ、ベテラン石原や選手会長の会沢、チームリーダーの丸らが先頭に立ち、チームの結束をより強めていってほしい。新井が戻ってくる時にいいチーム状態で迎えてあげられるようにすることが大切だ。

 チームはオープン戦を3勝9敗で終えた。勝敗はそれほど気にする必要はないが、故障者が出たり、試合内容にも心配な点が多かった。新井のほかにも岡田が左足に打球を受けたり、バティスタが死球で2軍調整をしいられた。会沢が体調不良で最後の2試合を欠場したのも気掛かりだ。

 投手陣も不安を抱えている。大瀬良は25日のソフトバンク戦でいい投球を見せたが、昨年の勝ち頭である薮田の不振は深刻だ。中継ぎのジャクソンも2試合連続で失点した。チーム防御率は12球団ワーストの4・73。野手に目を向けても「タナキク」の調子が上がらず、ともに打率1割台に終わった。

 不安を挙げればキリはないが、その一方で新しい戦力も台頭してきた。投手は高橋昂やアドゥワ、野手はメヒアや坂倉、美間らが1軍戦力として計算できるところまで力をつけてきた。足りない部分はみんなでカバーしていくしかないし、チームが苦しい時こそ新戦力にとってはアピールのチャンスでもある。

 長いシーズン、選手それぞれに好不調の波があり、投打の歯車がかみ合わない時も必ずやってくる。そんな苦境の時に、どんな新戦力が出てきてくれるのか。そういう楽しみも持ちながら今季もカープの戦いを追いかけていきたい。

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