内柴被告から「5万円渡された」
指導していた大学の女子柔道部員を未明に合宿先のホテルで乱暴したとして、準強姦(ごうかん)罪に問われたアテネ、北京両五輪の金メダリスト内柴正人被告(34)の第2回公判が2日、東京地裁(鬼沢友直裁判長)であった。非公開の証人尋問で被害者が「被告から5万円を渡された」と述べた調書の要旨が読み上げられた。
要旨によると、事件当日の朝、被告から「周りには言わない方がいい」と口止めされたと証言。被告は合意があったことを確認しようとしたが、強く否定すると「うそはつけないな。ごめん」と謝罪されたとも訴えた。
昼にはレストランで、「俺が悪いから返さなくてもいい」と言われ、交通費として5万円を渡された、と主張した。
事件当日に同じホテルで被告と関係を持ったとする別の女子部員の証人尋問調書も朗読された。就寝中に乱暴されてほとんど抵抗できず、被害届を出したが「話すのもつらかったため取り下げた」と明かしていた。
尋問は10月上旬、被告も立ち会って熊本地裁で実施。被告は「合意の上だった」と無罪を主張している。第2回公判では発言の機会がなかった。起訴状によると、熊本県内の大学柔道部の合宿に帯同していた内柴被告は昨年9月20日未明、東京都八王子市のホテルで、酒に酔って熟睡し抵抗できない部員を乱暴したとしている。