16歳・白井が世界切符 内村“絶賛”

 「体操・全日本種目別選手権・最終日」(30日、東京体育館)

 体操界にも“スーパー高校生”が出現した。男子6種目、女子4種目の決勝が行われ、男子床運動では高校2年生の白井健三(16)=神奈川・岸根高=が、世界選手権派遣標準得点の15・900点をマークし、男子では史上最年少となる世界選手権(9月30日開幕・ベルギー・アントワープ)代表入りを決めた。女子でも跳馬で村上茉愛=まい=(16)=池谷幸雄体操倶楽部=が、段違い平行棒で笹田夏実=帝京高=が優勝し、高校生2人が代表入りを決めた。

 16歳の放つ圧倒的な躍動感が、会場を支配していった。冒頭の後方伸身宙返り3回半ひねりから前方伸身宙返り2回ひねりを完ぺきに決めると、その後も次々と技を決めていく。最後に、あの内村航平ですら取り入れていない後方宙返り4回ひねりをピタリと決めると、あどけない笑顔を咲かせ、左拳を握った。

 表示された得点は、派遣標準得点の15・900点。男子としては25年前のソウル五輪に大阪・清風高3年で出場した池谷幸雄、西川大輔の「清風コンビ」を抜き、五輪、世界選手権を通じて史上最年少代表を決めると「自分の持っている構成をすべてできた。うれしい」と、はにかんだ。

 ロンドン五輪後に内村が提唱した“スペシャリスト”の育成のため、今回から導入された派遣標準得点は、ロンドン五輪種目別でのメダル圏内の得点が基準となっている。ルール改正があったとはいえ、白井の15・900点はロンドン五輪銀メダルの内村(15・800点)を上回り、金メダルの鄒凱(中国、15・933点)に肉薄する得点だ。

 演技を見た内村は「ひねり過ぎていて気持ちが悪い」と独特の表現で絶賛。「今日のような演技をされたら、僕も勝てるかわからない」と、“超新星”の誕生を喜んだ。

 体操クラブを営む父勝晃さん(53)の影響で3歳から体操を開始。内村と同じように、トランポリンでその抜群の空中感覚を養った。勝晃さんは「ずっと跳んでいた。夕方になって『そろそろ帰るよ~』って声を掛けたら、トランポリンの上で疲れて寝ていることもあった」と、振り返る。

 世界選手権の種目別でも当然、メダル候補となる。「世界選手権でも、若さと勢いあふれる演技で勝負したい」。体操ニッポンに、末恐ろしいワンダーボーイが誕生した。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス