ボルト今季ベスト9秒85で優勝
「陸上・ダイヤモンドリーグ・第11戦」(26日、ロンドン)
男子100メートルは五輪2大会連続3冠のウサイン・ボルト(26)=ジャマイカ=が追い風0・2メートルの条件下、今季自己最高の9秒85で優勝した。9秒58の世界記録を持つボルトは出遅れたが、70メートル付近で2位になったマイケル・ロジャーズ(米国)を逆転した。大会はロンドン五輪1周年を記念して行われ、ボルトは27日には400メートルリレーに出場する。
相次ぐドーピング疑惑が落とした暗い影を振り払おうと疾走し、男子100メートルで今季自己最高のタイムをマークした。ボルトは「いいレースだった。前半は良くなかったけどね」と振り返った。
苦手のスタートで失敗。ロジャーズに大きく遅れたが、70メートル付近で追い付き、ここまで9秒94が最高だった今季ベスト記録を更新した。
世界記録保持者のパウエル(ジャマイカ)や今季好調だったゲイ(米国)らがドーピング検査で陽性反応を示し、陸上界全体に疑いの目が向けられる。25日の記者会見でも「あなたを信用していいか」と厳しい質問が出た。
この日の優勝会見でボルトは「偉大なこと、普通ではできないことを成し遂げてこの競技に貢献したい」と力を込めた。陸上界への信頼は、世界最速男の双肩にかかっている。