寺川やった銅メダル「力出し切った」
「水泳世界選手権・第11日」(30日、バルセロナ)
競泳女子100メートル背泳ぎは寺川綾(28)=ミズノ=が59秒23で、昨年のロンドン五輪に続く銅メダルを獲得した。同五輪4冠の18歳、メリッサ・フランクリン(米国)が58秒42で勝った。男子で萩野公介(18)=東洋大=は200メートル自由形で1分45秒94の5位、100メートル背泳ぎは53秒93の7位で、二つ目のメダルはならなかった。男子50メートル平泳ぎ準決勝の北島康介(日本コカ・コーラ)は27秒82で全体の15位に終わり敗退した。
狙っていたのは金メダルだっただけに、表情には悔しさもにじんだが、28歳の大ベテランにとってはロンドン五輪に続く価値ある銅メダルだ。世界選手権で日本女子最年長のメダリストとなった100メートル背泳ぎの寺川は「今の力は出し切った」と目を潤ませた。
この年齢で泳ぎ続けるのには理由がある。五輪後の昨年9月に観戦した岐阜国体で、女子背泳ぎのレベルが低いことに「このままで大丈夫かな」と率直に思った。「誰が出ても世界と戦えるのが日本の女子背泳ぎだった。自分が底上げに、できることがあるのでは」。使命感のようなものが芽生えたという。
五輪後はファッションショーにも出演したが「行くところ行くところにそれを極めた人がいる」と感じ、自分が一番輝ける場所はプールだと再認識した。現役を続けたからこそ手にできたメダルに「去年と色は同じだけど、違った感動を味わえた」と感慨深げだった。