男子ハンマー投げ・室伏は無念6位
「世界陸上・男子ハンマー投げ」(12日、モスクワ)
前回王者、室伏広治(38)=ミズノ=は78メートル03の6位で、メダルに届かなかった。24歳のパベウ・ファイデク(ポーランド)が81メートル97で初優勝した。男子の棒高跳びは山本聖途(21)=中京大=が5メートル75で、この種目の日本勢で世界選手権史上最高の6位に健闘した。女子の100メートルはロンドン五輪金メダルのシェリーアン・フレーザープライス(ジャマイカ)が10秒71で2大会ぶり2度目の優勝。砲丸投げはバレリー・アダムズ(ニュージーランド)が女子史上初の4連覇を達成した。
鉄人は賭けに出た。男子ハンマー投げで室伏は80メートル超えを目指し、今の肉体では制御できるか分からないレベルにまで回転スピードを上げた。「いちかばちかで投げないとメダルは難しい。スピードとバランスのぎりぎりを攻めるしかない」と挑んだが実らなかった。
1投目で24歳のファイデクら2人が80メートルを超えた。3投を終えて室伏は5位。5投目に好感触をつかんだものの最初の78メートル03から記録を伸ばせなかった。「6位を目指してきたわけではない」と悔しさをのぞかせた。
五輪翌年の2005年、09年大会は休養のために欠場したが、今回は「僕と同じような中年の皆さんに元気を与えたかった」と調整に励んだ。38歳で果敢に限界に挑戦したこと自体、価値がある。今後についても「来年は日本選手権20連覇が懸かる」と現役続行を明言した。