全柔連・宗岡新会長、年内に成果示す

 不祥事が相次いだ全日本柔道連盟(全柔連)は21日、都内の講道館で2度の臨時理事会と臨時評議会を開催。一連の騒動を受けて、上村春樹会長(62)ら執行部の引責辞任に加え、新任の6人を除いた全23理事が総辞職し、新日鉄住金代表取締役会長兼CEOを務める宗岡正二氏(67)が新会長に正式就任した。前体制から執行部を1人減らした4人とする新体制で、宗岡新会長は「嘉納治五郎師範の教えを原点として、変えるものは変える、変えないものは変えずに、改革を進めていく」と所信表明した。

 不祥事の相次ぐ柔道界に、ようやく新風が吹きこむ。無数のフラッシュを浴びながら、宗岡新会長は改革への意識を改めて強く示した。「柔道に鍛えられ、柔道に育てられたものとして、あえて火中の栗を拾うことになった。ガバナンス(組織統治)と不祥事をキッチリと立て直したい」。柔和な表情は崩さなかったが、言葉に力を込めた。

 東大柔道部出身である宗岡新会長の現職は、新日鉄住金会長兼CEO。歴代の中で、初となる財界出身の新会長が掲げるのは原点回帰だった。評議委員会後の理事会では正式に会長職に互選され「変えるべきところは変え、変えてはいけないところは変えない。変えないところは嘉納治五郎師範の理念であり、それは原点だ」とあいさつ。始祖の理念を持ちながら、柔道界の再建を目指す。

 緊急登板で継いだ会長職。任期は来年6月までと短いが「私の考えでは遅くても年内までには(改革の成果を)お示ししたい」。その上で「改革を軌道に乗せ、一日でも早く国民の信頼回復をする。その後は職を辞して、若くて有能な人に(職を)譲りたい」とスピード感ある改革を進める。

 上村前体制で動き出しているプロジェクトについても「すべてをきちんと把握はしていない」とし、「良いものは続けるが、足りないところは直していく」と抜本的な見直しにも意欲を見せた。

 不祥事発覚から約7カ月。新風を帆に受けた全柔連は、改革への道を進めるのか。

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