体操女子の暴力指導は大阪のクラブ
体操女子で選手に対する暴力的な指導があったと日本オリンピック委員会(JOC)の相談窓口に通報があった問題で、調査を行っているJOCの青木剛専務理事と日本体操協会の渡辺守成専務理事が22日、都内で会見した。関係者によれば、問題が起きたのは大阪のプライベートクラブで、複数の女子選手が、複数のコーチによる暴力を主張している。ただ、選手側と指導者側の言い分は完全に食い違っており、今後の調査次第では、法廷での事実認定による解決も視野に入れている。
両専務理事の説明によれば、JOCには4月17日に1人の選手から当該クラブにおける指導者からの暴力を相談があり、その後も複数の選手から相談が寄せられたという。相談者はナショナル強化指定選手ではないという。JOCはその後、選手への聞き取り調査を行い、7月8日に体操協会へ報告。同11日にJOCの立ち会いのもと、体操協会が当該クラブの指導者2人に対して、聞き取り調査を行った。
選手側は暴力やパワハラなど「1つの事象ではなく、たくさんの事象を列挙している」が、指導者側は「全くしたことがない」と全面的に否定しており、両者の言い分は完全に食い違っている。
現状では相談者の氏名は協会側に伏せられており、今後はJOCから情報公開の承諾を得た協会の顧問弁護士が、選手への聞き取りを行う。ただ、このまま双方の言い分が食い違ったままの場合、(1)法廷での事実認定、(2)協会が仲介役として調停を行う、のいずれかで解決をはかるという。
渡辺専務理事は「初のケースでJOCはちゅうちょしている部分もあると思う。競技団体が主体的にやった方が解決するのでは」と、話した。