天理大柔道部「無期限」活動停止に
天理大(奈良県天理市)は5日、柔道部の4年生の男子部員4人が1年生部員に対して暴行していた問題で、柔道部を再発防止策が確認されるまで男女とも無期限の活動停止処分にしたと発表した。柔道部の藤猪省太(ふじい・しょうぞう)部長(63)、土佐三郎監督、世界選手権男子73キロ級金メダルの大野将平主将(4年)の同日付の解任も決めた。後任は未定。大学の全学協議会を開いて決定した。
天理大では暴行した4人を8月26日から30日間の停学処分とした。4人とも部にはとどまる。5月の暴行現場に居合わせた大野主将ら4年生2人は、学長からの厳重注意となった。
無期限の活動停止という重い処分とした理由について、山田常則副学長は「抜本的に改革するためには、厳しい処置をして新しく出直したいと判断した」と説明した。
大野主将は全日本柔道連盟(全柔連)の強化指定選手に選ばれているが、今後の代表としての活動について、全学協議会では議題に上らなかったという。山田副学長は「柔道関係者と相談しながら、早急に決めたい」とし、明言を避けた。
天理大では柔道界が暴力根絶に取り組んでいるさなかの5月から7月にかけて、4年生4人が1年生十数人に平手打ちなどの暴行を加え、1人の鼓膜が破れていたことが4日に明らかになった。
男子部員が生活する田町ふるさと寮(奈良県天理市)には同日午後7時半すぎ、解任されたばかりの藤猪前部長らが到着。約2時間後に出てくると、報道陣に対応することなく寮を後にした。