【東京五輪の星になれ】糸数陽一
悔しさを成長のエネルギーに変えた。男子重量挙げ62キロ級・糸数陽一(22)=日大4年=は昨年のロンドン五輪代表を惜しいところで逸した。低迷が続く男子は五輪出場枠が8階級で1枠しかなく、そのプラチナシートを重量級の太田和臣と争ったが、協会が決めた各階級の出場基準にわずか1キロ届かなかった。
「ロンドンに1キロ差で行けなくて、本当に悔しい思いをした。今はリオでメダル、東京で金メダルを取るつもりで取り組んでいます」
中学2年の時に重量挙げと出合った。もともと小柄で筋肉質だったので、担任教師から勧められた。「地味な競技なので最初はあまり興味がなかったんですが、豊見城高に見学に行った時、高校の先生から頑張れば飛行機に乗れるし、全国チャンピオンも夢じゃないと言われて」。高校では2、3年で3冠を達成。早々と素質が開花した。
大学2年で階級を56キロから62キロに上げた。減量苦から解放されたことで、記録はグングン伸びた。昨年8月の国体九州大会のジャークでは166キロの日本新を出し、スナッチ128キロとのトータル294キロの自己新をマーク。当面の目標は10月の世界選手権(ポーランド)。「向こうではスナッチ、トータルでも日本新を出してきたい。日本中がびっくりするような活躍を見せますよ」。29歳で迎える東京五輪へ向け、確実にステップアップする。