【東京五輪の星になれ】競泳・今井月
身長155センチ。どこにでもいそうな13歳の中学生、競泳・今井月(るな=13)=岐阜西中1年=は、無限の可能性を秘めている。日本学童記録(小学生)女子平泳ぎの項目には、月という名前が輝いている。
水泳との出合いは、何と3歳。「お兄ちゃんがやっていたので」というころの記憶は、覚えていないという。「水が怖かった記憶?忘れましたね」。物心がついたころから水に親しんでいた今井は、愛くるしく笑う。才能が開花し始めたのは、小学6年時の2012年だ。急成長を見せ、次々と記録を更新。「初めて学童記録を塗り替えた時は、うれしかった」と話す今では、同記録平泳ぎ3種目と400メートル個人メドレーの記録保持者だ。
中学入学直後の4月に行われた日本選手権女子200メートル平泳ぎでは、ともに日本記録保持者である鈴木聡美(ミキハウス)金藤理絵(Jaked)に次ぐ3位で表彰台へ。平泳ぎ界に新風を吹き込んだ。体は小さいが、強さの秘けつは足にある。足のサイズが25・5センチと大きく、これが強力なキックでの推進力を生んでいる。
憧れの存在は同じ平泳ぎの北島康介で「北京五輪の北島さんはすごく覚えています」と目を輝かせる。2020年は、五輪期間中に20歳の誕生日を迎えるミレニアム・ガール。「五輪への憧れもあるし、早く世界で戦える選手になりたい」。7年後、そう語る今井の胸には金色の“満月”が輝いているかもしれない。