沙保里V14達成!世界大会67戦無敗

 「レスリング世界選手権・第4日」(19日、ブダペスト)

 女子55キロ級で吉田沙保里(30)=ALSOK=が5試合全て無失点で勝って11連覇し、五輪3連覇と合わせた前人未到の14大会連続世界一に輝いた。同63キロ級では五輪3連覇の伊調馨(29)=ALSOK=が4試合全てテクニカルフォール勝ちし、2年ぶり8度目の優勝を果たした。ともに初出場だった2002年大会から五輪と合わせ、吉田は67戦無敗、伊調は50戦無敗。吉田は20年東京五輪の招致活動やレスリングの五輪存続に力を尽くし、自らの競技生活でも頂点を守る「3つの闘い」を勝ち抜いた。

 2020年東京五輪招致と五輪でのレスリングの存続、そして前人未到の記録更新。「9月には3つの大きな闘いがある」と話していた吉田が、マット上のライバルに完勝した。無失点の5試合のうち4試合でテクニカルフォール。「最高の1年になった」と胸を張った。

 決勝の相手、23歳のソフィア・マットソン(スウェーデン)とは初対戦。警戒しすぎたのか、1分すぎに消極的な姿勢として審判員から注意が出た。その後に2点を先制したが、第2ピリオドにまたも注意を受け、新ルールでは30秒以内に得点しなければ相手に1点が与えられる状況となった。初めてのことに戸惑いつつも、あっという間に相手を場外に押し出して得点。決勝だけはテクニカルフォールを逃し「攻めきれなかった」と悔しさものぞかせたが、タックルだけに頼らない総合力の高さを見せつけた。

 レスリングの五輪存続のため、5月に導入された新ルールが有利に働いた。相手を倒すテークダウンが1点から2点に増えた。以前は各2分のピリオドごとに争い、2ピリオド先取の勝負だったが、6分で合計得点を争う方式となり、吉田には「取られても取り返せばいい」という余裕も生まれた。

 昨年11月に国民栄誉賞を授与され、12月に東京五輪の招致大使に就任。その2カ月後にはレスリングが五輪から除外される危機に陥り、不安の中で存続活動にも力を注いだ。多忙を極めた約1年だったが「濃かった。全ていい方向にいって良かった」と振り返ると「また目標に向かって一つ一つ上がっていく」と気持ちを切り替えた。

 チャンピオンベルトを巻いた表彰式後に、吉田は「(試合を)長く感じた。今までにないくらい疲れた」と漏らした。20年五輪にも意欲を見せる無敵のベテランは「五輪も東京に決まってレスリングも五輪に残って、自分が勝って終われて良かった」と胸を張った。

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