豪栄道、白鵬撃破「とにかく動いた」
「大相撲秋場所10日目」(24日、両国国技館)
関脇豪栄道が白鵬を止めた。初日から9連勝していた横綱を押し出し、7勝目を挙げた。横綱日馬富士は立ち合いで変化気味に左に動いてから魁聖を上手投げで退け、稀勢の里は琴奨菊との大関対決を寄り切りで制し、ともに勝ち越した。平幕の豊真将も勝ち越し、2敗力士3人が白鵬を1差で追う。
座布団が舞う中、勝ち名乗りを受けた豪栄道は耳を疑った。土俵を降りると国技館に「豪栄道」コールが響き渡った。白鵬の独走ムードを一変させた白星。クールな男が「励みになります」と、言葉に力を込めた。
通算1勝20敗だった相手。得意の右差しを捨て、左上手を許さない作戦を実行した。「組み止められないように、とにかく動いた。止まると勝てない」。とったりをしのぐと、腰を下ろしたまま押し進み、相手の引きに乗じて、反撃を許さないまま押し出した。
前回倒した昨年夏場所、故障した横綱は10勝5敗と不振だった。それだけに「全勝の横綱を止めたので、満足しています」と胸を張った。北の湖理事長(元横綱)も「これで波に乗れなかったらおかしい。気分が変わるはずだ」と、さらなる白星の上積みを期待した。
関脇連続在位は9場所。魁皇(13場所)、琴光喜(11場所)に次ぎ、逆鉾と武蔵丸に並んで昭和以降3位の記録だ。それでも「このまま終わりたくない。満足してはいけない」と、大関とりへの足固めを狙っていた今場所だった。
国技館を引き揚げる際、ファンから「早く大関になって!!」と声援を受けた。豪栄道も「そうですね」と、やるべきことは分かっている。次の相手は日馬富士。連日の横綱討ちで、さらに勢いを加速させる。