遠藤11日目勝ち越し 最速男2桁星見えた

 「大相撲秋場所11日目」(25日、両国国技館)

 最速男が勝ち越しを決めた。昭和以降最速となる、所要3場所のスピード新入幕を果たした遠藤は、幕内優勝経験もある旭天鵬との年齢17歳差対決を、豪快な上手投げで制して8勝目を挙げた。横綱白鵬は関脇妙義龍を小手投げで下して10勝目を挙げ、北の湖と並んで歴代1位の37場所連続2桁勝利を記録した。

 横綱級の歓声と拍手。その中で、遠藤は悠然と勝ち名乗りを受けた。スピード出世記録を更新した看板にたがわぬ快進撃に、「11日目に勝ち越せたのはうれしい。こんなに早く勝ち越せるとは。重い感じがしますね」と柔和な表情で話した。

 相手は幕内優勝経験もあり、17歳年上の旭天鵬。仕切りで右寄りから立った遠藤は、まっすぐ右前みつをつかみ、相手の足がそろった瞬間に、豪快な上手投げを決めた。「会心であっても泥くさくても勝ちは勝ち。幕内の雰囲気にのまれず、いつも通りできているのがいい」と振り返った。

 組んでよし離れてよしの万能型。立ち合いでは常に相手より後に土俵に手をつき、自分の間を主張する度胸がある。

 北の湖理事長(元横綱)が「相手に合わせるのが大事。自分の呼吸で立つのも大事だが」と苦言を呈するほど。一方で「当たる角度が良かった。あと4日。これから力が試される。2桁勝てば三賞候補だろう」と賛辞も惜しまなかった。

 自身の性格を「完璧主義者。何事も極めたいと思う」と分析する遠藤。小学校1年生の時、穴水少年相撲教室で相撲を始めた。父・吉樹さんに連日ドライブに誘われ、なぜか稽古場に連れていかれた。「相撲をやれということか。もうやるしかないな」と、前向きでない気持ちで始めた。それでも、その性格で実力を伸ばした。好きなテレビゲームも「クリアするまでやめられない」と、日大時代に断ったほどだ。

 この日は石川県穴水町の後援会が国技館で声援を送った。10月20日に行われる故郷の金沢巡業では、早くも完売する席種が続出。国技館の声援も日増しに大きくなり、久々の和製ホープとして、期待は高まるばかり。所要4場所で新入幕を果たし、大関まで駆け上がった長岡、武双山、雅山は9勝で場所を終えている。「一つでも多く勝ちたい」と遠藤。2桁勝利と三賞獲得が、新たな目標として見えてきた。

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