内村、個人総合4連覇へ貫禄の首位発進

 「体操世界選手権・第2日」(1日、ベルギー・アントワープ)

 男子予選が終了し、前日演技した内村航平(24)=コナミ=は4連覇に挑む個人総合(91・924点)と種目別の鉄棒で首位、床運動で3位、平行棒で10位通過した。前日に登場した初代表の17歳、白井健三(神奈川・岸根高)は種目別でともに新技を決めた床運動がトップ、跳馬が6位で決勝進出を果たした。この日の予選最終4班に臨んだ加藤凌平(順大)は個人総合(89・474点)で3位、種目別の鉄棒で7位に入り、山室光史(コナミ)がつり輪8位、亀山耕平(徳洲会)があん馬8位で突破した。

 5種目目のつり輪を終え、内村は防寒着を着て手袋をはめた。小刻みに動き、ストレッチで体をほぐす。3日前の本会場練習で最後の跳馬を待つ間に体が冷えて硬くなり、着地を失敗した反省からだ。「注意しながらやった」と本番で鮮やかに決め、この日最も派手なガッツポーズ。王者の強み、修正能力の高さを象徴する場面だった。

 「決勝じゃないのが残念」と惜しむほど、演技が研ぎ澄まされていた。最初の平行棒では場内の視線が集まり、静寂の中でスタート。続く鉄棒ではG難度の大技「カッシーナ」など離れ技を次々と成功させ、勢いを加速させた。今季の自己最高得点を「気持ちも体の状態も朝から良く、うまくかみ合っていい演技になった」と素直に喜んだ。

 昨夏のロンドン五輪後に結婚。4月に第1子が誕生し「物心ついた時に頑張っている姿を見せたい」と、最強オールラウンダーとして君臨し続ける動機が強まった。開催が決まった2020年東京五輪にも「とりあえず代表になれるようにと考えたい。7年間頑張るのではなく、あと10年間頑張るつもりでいれば7年は楽かなと思う」と意欲的だ。若手の台頭にも刺激を受け、1班で新技を連発した白井の活躍に「自分もやってやろう」と触発された。

 右肩、右足首の故障から復帰した今季は個人総合に照準を合わせている。決勝では演技の出来栄えを示す10点満点のEスコア(実施点)で「全種目9点台を目指す」と宣言。前人未到の4連覇に向け、誰よりも美しい体操を追い求める。

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