内村4連覇 2位に約2点差圧勝!

 「体操世界選手権」(3日、アントワープ)

 男子個人総合決勝で、ロンドン五輪金メダリストの内村航平(24)=コナミ=が合計91・990点を挙げて圧勝し、史上初の4連覇を達成した。五輪を含めて5年連続世界一になり、女子のスベトラーナ・ホルキナ(ロシア)を抜いて世界選手権の個人総合優勝回数記録も塗り替えた。種目別を加えた金メダルは5個目。初出場の加藤凌平(20)=順大=も90・032点で銀メダルを獲得し、日本勢の1、2位は05年大会以来3度目となった。

 最終結果の表示を待つ必要はなかった。重圧のかかる最後の鉄棒でG難度の大技「カッシーナ」など離れ技を次々と決めて締めくくると、内村は優勝を確信して両手を突き上げた。「喜びが湧き出た」。2位の加藤に約2点差の圧勝劇を演じ、日本が誇る体操界の生きる伝説はやはり強かった。

 最初に臨んだ得意の床運動で「着地をバシバシ止められた」と流れに乗った。ロンドン五輪で苦しんだあん馬をまとめ、2種目終了でトップに立つと独走。床運動、つり輪、跳馬では最高点を出し、6種目全てで3番以内の得点と総合力の違いを見せつけた。

 昨夏の五輪後に疲労から右肩を痛めた影響で、跳馬を除く5種目で昨季から難度を下げざるを得なかった。重視したことは完成度だった。無理のない演技で「ミスなくEスコア(実施点)を稼ぐ構成」で勝負した作戦が奏功し、演技の出来栄えを示す10点満点のEスコアでは、ほぼ9点前後とライバルを圧倒した。

 五輪から帰国後に各地を回った報告演技会。子どもに手本を見せた際に右足首を痛めた。昨年11月からことし1月までは器具をほとんど触らず、補強練習に専念した。体操では珍しいダンベルを使ったトレーニングや、天井からつり下げた綱を両手で上る練習で地道に回復し、今まで敬遠していたマッサージも入念に受けるようになった。

 技の高度化が進む中で「美しい体操が評価されるとあらためて分かった試合。これが体操だと世界に示せた」と誇らしげだ。3年後のリオデジャネイロ五輪に向けた再出発の舞台は「小手調べ。まだまだ(レベルを)上げられますよと感じさせながら、完成度も高い」と自賛し、余力をうかがわせた。「内村時代」はしばらく続きそうだ。

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