内村、万能2冠!史上2位の12メダル
「体操世界選手権」(6日、アントワープ)
種目別決勝が行われ、男子平行棒で内村航平(24)=コナミ=が15・666点を出し、史上初の4連覇を達成した個人総合との2冠に輝いた。同種目の日本勢の優勝は、81年大会の具志堅幸司以来32年ぶりだった。男子跳馬で予選に続いて新技「シライ/キムヒフン」を成功した白井健三(17)=神奈川・岸根高=は4位に終わり、日本史上最年少優勝を成し遂げた床運動に続く二つ目のメダル獲得はならなかった。梁鶴善(韓国)が2連覇。女子床運動で村上茉愛(17)=池谷幸雄倶楽部=は4位だった。
世界のウチムラの勢いは、種目別でもとどまるところを知らなかった。個人総合で前人未到の4連覇を成し遂げた内村が、種目別の平行棒でも金メダルを獲得した。最強のオールラウンダーは、スペシャリストがそろう種目別でも万能ぶりを発揮した。
平行棒では、実に32年ぶりのメダルだった。美しい演技を見せ、Eスコア(実施点)でトップの8・966点をマーク。林超攀(中国)と同点優勝となった。
残る鉄棒を前に前日の床運動の銅を合わせ今大会3個目のメダルを手にし、09年からの出場4大会で通算12個目。最多14個の監物永三に次ぎ、中山彰規と並ぶ2位。
床運動では、11年の前回大会に次ぐ2連覇には届かなかった。最大の目標だった個人総合で4連覇を達成。「種目別のことはあまり考えていない」と言っていた日本のエースだが、落胆の色はあまりなかった。後輩の白井が初出場優勝を果たした際、「(白井)健三は期待通りにやるのがすごい。人間じゃない」と賛辞を贈った。
右肩と右足首の故障明けだったものの、強さは変わらない。美しい体操が種目別でも高く評価され、再び世界の頂点に立った。