真央Vで全7大会制覇!ソチへ好発進

 「フィギュアGPシリーズ・スケートアメリカ」(20日、デトロイト)

 女子はショートプログラム(SP)首位の浅田真央(23)=中京大=がフリーも131・37点で1位となり、計204・55点で優勝。男女を合わせて日本人最多のGP通算12勝目となり、ファイナルも含めた全7大会を初めて完全制覇した。前日の男子でGP2勝目を挙げた町田樹(23)=関大=との日本勢アベック優勝を果たした浅田は、自身4度目となる200点超えにも、さらなる得点の上積みを予感させるなど、来年2月のソチ五輪での金メダルへ好スタートを切った。

 ジャンプの減点も、補って余りあった。「満足いく出来ではなかった。悔いが残った」。浅田自身がこう言い切った演技が、観客を総立ちにさせたワグナー(米国)の上をいった。しかもバンクーバー五輪(2010年)で出した自己ベストに0・95点と迫る高得点となった。

 冒頭のトリプルアクセルで「すごい転倒」となり、体力を消耗した。演技後は一瞬ふらつくほど疲れた。それでも、スピンとステップは最高のレベル4。昨季よりもスピード感がある演技は審判の評価を高め、表現力などを示す演技構成点の上昇にもつながった。

 佐藤信夫コーチは、「全体を通して着実に滑らかさが出てきている。運動量を一定にして、長時間もつようにする長距離の体の使い方だったのが、瞬発力が必要な短距離に近い使い方もできてきている」と説明。練習では途中で「そこでスピードをつけろ」と声を飛ばす。ギアを上げて次の要素へ。これが徐々にできてきた。

 これでGPシリーズは通算12勝。17勝のスルツカヤも果たしていない7大会制覇のグランドスラムを達成した。「自分のスケート人生においてすごくうれしいこと」。フリーのテーマに掲げる「これまでの人生」にまた一つ、喜びのピースが加わった。

 この日のトリプルアクセルは実質2点の評価。連続3回転も後半を2回転に変更した。「これを最低レベルとして次の試合、また次の試合と階段を上っていければ」。ジャンプの基礎点だけでもさらに12点以上の上積みが可能。次は11月8日開幕のNHK杯。「もう五輪は始まっている」。その視線は金メダルをとらえている。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス