小平5年連続2冠 国内最高で圧勝

 「スピードスケート全日本距離別選手権」(27日、エムウエーブ)

 女子1000メートルが行われ、小平奈緒(27)=相沢病院=が1分15秒46の国内最高記録で圧勝し、5連覇。500メートルと1000メートルで、5年連続2冠を達成した。男子1000メートルは小平の練習パートナーを務める山中大地(23)=電算=が1分10秒67で初優勝。前日の500メートルでフライング失格した長島圭一郎(31)=日本電産サンキョー=は3位に終わった。

 “待ってろ、世界!”とばかりの圧勝劇だった。ただ1人、次元の違うスピードで、開幕戦から自身の持つ国内最高記録を更新。前日の500メートルでは優勝しても喜びを表さなかったが、この日は笑顔で拳を握った。

 「何でもいいからガッツポーズで終わろうと思ってた。反省はあとでいいかなと」

 肉体改造の成果が出た。ソチ五輪を見据え、オフは男子選手並みの食事に加え、これまで以上に激しい筋力強化を敢行。スクワットの最高重量はバンクーバー五輪時の110キロをはるかに超える150キロ、ベンチプレスは57キロから77キロへ、大きく記録を伸ばした。現状はベスト体重よりまだ3キロ重いが、結城匡啓コーチは「絞れてキレが出てくれば楽しみ」と、力強い滑りに手応えを口にした。

 視線の先には世界がある。「この記録では、まだ戦えない。自分の頭の中の水準を高い位置において、スキをつくらずやっていきたい」。11月からはW杯を転戦。4年前には取れなかった個人でのメダルへ向け、女子のエースに抜かりはない。

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