“最後の早明戦”4万6961人来た
「関東大学ラグビー対抗戦、早大15-3明大」(1日、国立競技場)
伝統の早明戦が、2019年ラグビーW杯と20年東京五輪に向けた改修工事が来年から始まる東京・国立競技場で行われ、早大が明大を15‐3で下した。4万6961人の大観衆が見守った中、早大が現在の国立における“最後の早明戦”を制した。通算成績は早大の51勝36敗2分け。3連覇を決めていた帝京大は慶大に75‐0で圧勝し、7戦全勝で単独優勝。早大が6勝1敗の2位で続き、慶大、筑波大、青学大との直接対決に勝った明大までの上位5チームが全国大学選手権の2次リーグから出場する。
満員の国立で、最後の最後にワセダが本領を発揮した。後半ロスタイム。ゴール前5メートルスクラムを押し込み、最後はNo.8佐藤が飛び込んで試合を決定づけるトライ。「スクラムの優劣が点差に出た」と、後藤監督も評価した内容でライバル対決に勝利。大学選手権での覇権奪回へ確かな手応えをつかんだ。
気迫とプレッシャーに押され、後半半ばには何度も自陣ゴール前での守備に追われた。それでも伝統の粘り強いディフェンスでトライを許さなかった。「心が折れなかったのが勝因だと思う」とPR垣永主将。「選手たちが精神的にタフになりつつある」と指揮官も成長ぶりを認めた。
早明戦の国立開催は1973年に始まった。80年代前半には6万6999人を記録。積雪の中で早大が勝った87年の「雪の早明戦」は語り草になるなど、数多くのドラマを生んだが、近年は空席が目立っていた。節目の試合に向け、4月からプロジェクトを始動させ、昨年は数百枚だった早大の学生券は約4千枚売れたという。
FL布巻峻介(3年)は、練習の合間を縫って一般学生に来場を呼びかけたという。「人を集めるのがこんなに大変なのかと…。でも、きょうの試合は楽しんでもらえたと思う」と満足そうな表情を見せた。打倒・帝京大へ、早大がエンジン全開で突き進んでいく。