川内、激走3位 宗猛「彼こそプロ」
「福岡国際マラソン」(1日、平和台陸上競技場発着)
“最強市民ランナー”川内優輝(26)=埼玉県庁=は、2時間9分5秒で日本人トップの3位となり、14年仁川アジア大会代表の有力候補となった。今大会の結果次第で、五輪、世界選手権などの日本代表争いからの“引退”を示唆していたが、今後はアジア大会の金メダルを目標に取り組んでいく覚悟を示した。マーティン・マサシ(スズキ浜松AC)が2時間7分16秒で優勝。藤原新(32)=ミキハウス=は、20キロ過ぎで棄権した。
これからも日本男子マラソンは、この男を中心に動いていく。2時間7分30秒を切れないか、アジア大会代表を逃した場合、日本代表争いからの“引退”を示唆していた川内。タイムは届かなかったが、日本人トップでアジア大会代表の有力候補となり「きっとこの結果は『日本代表になれ!』という声だと思う」と、うなずいた。
破天荒な“川内劇場”だった。ペースメーカーが外れた20キロで、唐突にスパート。「集団を絞るためだったけど、ほとんど付いてこなくて…。あの10キロでかなり力を使ってしまった」とまさかの“暴走”となってしまった。
30キロ手前で集団に吸収され「まだ6~7人いたし、飛び出さなきゃよかった」と万事休したが、顔が苦しさでゆがんでからが真骨頂。粘りの走りで食らいつき、40キロからは逆にペースアップ。し烈な3位争いを制した。
実は状態は万全ではなかった。食べ過ぎで、ベスト体重より3~4キロオーバー。疲労も残っていた。そんな中での激走に日本陸上連盟幹部も大絶賛だ。尾縣専務理事が「感動した!日本のマラソンランナーの範となる」と話せば、宗猛マラソン部長も「彼こそマラソンのプロ」と賛辞を惜しまなかった。
「今後はアジア大会の金メダルを目指していく」と川内。“最強市民ランナー”の熱い走りは、まだまだ人々の心を打ち続けていく。