リオへ第一歩 桐生リレー日本代表入り
日本陸連は2日、400メートルリレー、1600リレーを強化するために新設したナショナルチームに男子は100メートルで10秒01の記録を持つ桐生祥秀(17)=京都・洛南高=ら24人、女子は福島千里(25)=北海道ハイテクAC=ら14人を選んだ。来年5月に初めて開催される世界リレー選手権(バハマ・ナッソー)の代表はナショナルチームから選出。15年世界選手権(北京)や、16年リオデジャネイロ五輪のリレー出場権へとつながる戦いへ、桐生が第一歩を刻んだ。
桐生が3年後へ踏み出した。世界リレー選手権を目指す男子24人のナショナルチーム入りを果たした逸材は都内で会見し、「まだ(大会メンバーに)選ばれたわけではない。まずは(メンバー入りを)獲得するために、もっといい走りをしたい」と意欲を見せた。
第1回世界リレー選手権で8位に入れば、15年世界選手権の出場権を獲得できる。さらに、15年の第2回大会(開催地未定)で8位以内に入れば、リオデジャネイロ五輪のリレー出場枠を得る。五輪、世界選手権へ直結するだけに、日本陸連はリレーのナショナルチームを新設することになった。
ナショナルチームは、来年3月まで国内合宿を月1回実施。来年2月にはオーストラリア、3月には米国へ遠征を予定。今年はモスクワ世界選手権や、英国・バーミンガムでのダイヤモンドリーグにも参戦した桐生は、「いろんな大会で世界との差を感じた」とメダルを目指した活動は大きな刺激となりそうだ。
4月の織田記念で日本歴代2位の10秒01をたたき出した逸材は来春、東洋大に進学が決まった。「来年大学生になるので、目標とする9秒台を目指したい」。日本陸連の土江寛裕短距離副部長の指導を受けるなど、サポート体制は万全だ。
東洋大には、ロンドン五輪競泳男子400メートル個人メドレー銅メダリストの萩野公介や、男子200メートル平泳ぎ世界記録保持者の山口観弘らが在籍している。「話す機会があれば、世界と戦う時の姿勢なども含めて聞いてみたい」。さらなる高みを目指し、桐生が上昇を続ける。